「テニス・全米オープン」（８日、米ニューヨーク）

　女子シングルス準々決勝が行われ、２年ぶりの優勝を狙う世界ランク９位の大坂なおみ（２２）＝日清食品＝は、同９３位のシェルビー・ロジャース（米国）を６－３、６－４で下し、２年ぶりの４強入りを果たした。準決勝ではジェニファー・ブレイディ（米国）と対戦する。

　「正直、彼女に勝ったことがなかったので、彼女が優勢なような気がしていた。ちょっとリベンジできた。３年前のチャールストンでの試合の悪いイメージもあったが、今日はずっとポジティブでいられた。本当にうれしい」。

　過去３戦全敗の対戦成績だったが、最後に戦ったのは大坂が最初に四大大会を制する前の１７年。今やトッププレーヤーとなった２２歳が、地力の違いをみせつけた。激しい攻防となった第１セットは、互いにブレークを奪い合った直後の第８ゲームで、再び大坂がブレークを奪い、そのまま押し切った。第２セットは第３ゲームでブレークを奪うと、その後は付け入るスキは与えなかった。痛めている左太もも裏の影響を感じさせず、好ショットを連発し、力強い「カモーン！」の雄叫びが響いた。

　足の状況については「予防のためのテーピング。これ以上悪くならないことを祈りたい」と、話した。

　今大会で黒人差別への抗議を続けている大坂は、１回戦から続けている黒のマスクで入場。この日は５月にミネソタ州で警官に首を圧迫され、死亡したジョージ・フロイドさんの名前が入っていた。首を地面に押し付けられたフロイドさんが「息ができない」と訴える動画が拡散し、この事件をきっかけに「黒人の命も大事だ（ブラック・ライブズ・マター）」のスローガンを掲げる一連の抗議デモが全米各地に広がった。

　大坂は決勝までを想定した７枚のマスクを準備しており、残るは２枚となった。