芝田山親方 夏場所中止は「協会内から感染者がでたからということではない」

 日本相撲協会の芝田山広報部長(元横綱大乃国)が4日、夏場所中止の決断に関し、電話での代表取材に応じた。「緊急事態宣言が延長されたということと、世の中が、企業も経済もストップしている状況で、開催することは難しいということ」と理由を説明した。

 この日、執行部で検討。各理事には電話で連絡し、持ち回り理事会にて決議された。各部屋の師匠に一斉メールで通達。「各部屋の師匠から各部屋に所属しているものに必ず伝えてほしいという連絡を送った」と話した。

 名古屋場所が開催場所を東京・両国国技館に変更し、7月19日から無観客開催を目指す。「名古屋場所については、緊急事態宣言が今月いっぱいにしても、東京から大人数で名古屋に700人、800人くらいの大人数が移動することに対して非常に危険だということ。地域の移動には非常に敏感になっている。長期滞在を避けるということで、理事長が言うように特別開催として名古屋ではなく、2週間遅らせた時期、7月19日から8月2日まで東京で行うことにした。状況的にどんな状況になっているか分かりませんので、私たち協会としては、両国国技館での開催は無観客の開催を目指すということ」と異例の変更に至った。

 夏場所の番付は4月27日に発表済み。7月場所の番付にそのまま変更なく持ち越しになる。「5月場所の番付は、相撲をとっている訳ではないので、上がり下がりはないので、そのまま移行する予定です。今場所は開催されないから、番付はそのまま。お相撲さん以外での昇進も別にない」と話した。

 12日に延期された新弟子検査は再延期される。「新弟子検査は予定した日程から延期になります。次の開催される場所の前にということになる。延期になります。入門者にとっては残念だが、仕方ない」と、入門が1場所遅れることになる。

 ウイルスで本場所がなくなることは同部長でも信じられない思い。「これはもう、いまだかつてなかったわけですよね。この社会で40年以上やっていて、人生の中でもこんなことが起きるとは思ってもみなかった訳だし、病気がまん延することでなにもかもがむしばまれる状況になる。その中でどうするかというと、皆さんと一緒に予防策の徹底をして、辛抱するしかない。私たちも苦渋の決断で、きょう5月場所の中止を発表させていただいた。この世の中の状況を見ていかないといけない。私たちは本場所開催は絶対的に必要なものである以上は、今回中止されたものを次の場所に向けてしっかりと、力士も協会も、次の場所に向けて準備を進めていくということ」と前だけを向いた。

 協会から高田川親方(元関脇安芸乃島)、十両白鷹山ら7人が感染。ただ感染が中止の理由ではない。「あくまでも感染者が出たから5月場所が中止になったということではない。それは皆さんに強くお伝えしてほしい。あくまでも政府の緊急事態宣言が延長されたということを受けて中止に至ったということです。協会内から感染者が数名でたから中止したということではない。感染者は1人は入院して治療しているがほかの人たちは退院している」と強調した。

 10日に初めて感染が確認された幕下以下の力士は依然、入院中。あとの6人は退院している。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス