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鈴木雄介、歩み止めない!五輪延期でも「中止でなく感謝」 50キロ競歩で日本勢初V

 昨秋にカタール・ドーハで行われた陸上世界選手権男子50キロ競歩金メダリスト、鈴木雄介(32)=富士通=がこのたび、デイリースポーツ制定の2019年度「ホワイトベア・スポーツ賞」を受賞した。五輪・世界選手権を通じて、日本勢で初めて同種目を制し、東京五輪の代表に内定。電話による取材を通じて、受賞の喜びや競歩への思い、東京五輪への決意などを語った。

 ◇  ◇

 -ホワイトベア・スポーツ賞の受賞、おめでとうございます。

 「栄誉ある賞をいただいたことを、とてもうれしく思います。周囲の皆さまのご支援、ご声援のおかげです」

 -2019年度のホワイトベア・スポーツ賞は、競歩界ではドーハ世界選手権の男子20キロを制した山西利和選手(愛知製鋼)と同時受賞になった。

 「私個人だけでなく、日本の競歩チーム全体としてもうれしいことであり、とても光栄です。今後もチームとして頑張っていけたら、と思います」

 -あらためて、世界選手権を振り返って。深夜スタートに加えて酷暑も重なった中、収穫や課題はあったか。

 「特殊なレース環境だったので、収穫、課題に関してははっきりと挙げられない難しいレースでした。競歩を始めた小さいころから、五輪や世界選手権など、世界大会でメダルを取りたい、金メダルを取りたいと、強く思っていましたので、それを実現できたことが一番大きいです」

 -東京五輪代表に内定した瞬間は。

 「もちろん東京五輪に出たい気持ちはありましたが、レース中に考えていたのは金メダルを取るという一つの目標しかなかったです。内定よりも金メダルを取れたこと、お世話になった方々に喜んでいただけることが素直にうれしかったです」

 -新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、東京五輪が1年延期となったが。

 「中止ではなく、延期という形で合意してくださった関係者の皆さまに感謝しています。ひとまず現段階では、東京五輪に向けてまた競歩を頑張れるのはとてもうれしいです。それに向かって私自身は地道に取り組むのみ、と思っています」

 -15年8月の北京世界選手権は恥骨の痛みから途中で棄権した。恥骨痛の影響により18年5月の東日本実業団選手権で復帰するまで2年9カ月、実戦から遠ざかった。その間はどういう心理状態だったのか。

 「競技者でありながら練習さえもできない。一生競歩をすることができないのか、このまま治らなかったら次に何をしようか、競歩をやめなきゃいけないのかなど、ケガをして1年過ぎたあたりからずっとそういうことを考えていました」

 -どのように気持ちをコントロールしていたのか。

 「常にそうしていたというわけではないのですが、気持ちが落ち込むのは当たり前だ、と思うようにしました。いつ治るか分からない不透明さの中、前向きになれない自分がいるのは自然であって、仕方ないよな、と言い聞かせていました。その結果、徐々に落ち込むことが少なくなり、自然と治療やリハビリ練習に打ち込めるようになりました。何より周囲の皆さまの支えがあったことが一番心の支えになりました」

 -あらためて、競歩を始めたきっかけは。

 「小学校から陸上クラブに入っていて、その流れから中学で陸上部に入部して、初めは長距離選手として活動していましたが、最初の石川県の地区大会のとき、『新入生は勝てる種目がないから、どんな種目で入部した選手も競歩で参加してみなさい』と顧問の先生に言われたのが初めての体験です」

 -競技を通じて、競歩への魅力を感じた点は。

 「自分に合っていた、というのが一番です。体の動かし方など、走っているときよりも競歩をやっているときの方がしっくりきた、という感覚が大きくて、それが私の中での競歩に対する楽しさの始まりだったかなと思います。もちろん走った方が圧倒的にスピードは速いですが、競歩をやっているときの方が楽にスピードが出せる気がしていました」

 -趣味は。

 「基本的に友達と一緒に遊ぶことが好きで、カラオケ、ビリヤード、ダーツ、ボウリングをすることが多いです。球技の中ではサッカーやバスケットボールが好きです」

 -山西選手の存在をどうとらえているか。

 「自分自身とタイプが似ているという印象です。山西選手が以前『一緒に練習したい』と申し出てくれましたが、彼は私の何倍も速いスピードで成長しました。私の経験を伝えることで強くなってくれたらと思いましたし、彼にとって求めていた形ができたのならばうれしいです。一緒の練習は私自身にとってもさまざまな面ですごくプラスになったので、本当にありがたかったです。私がドーハで金メダルを取れた、一つの大きな要因でもあります」

 -過去の五輪で印象に残っているシーンやアスリートはいるか。

 「(2000年シドニー五輪女子マラソンで金メダルを獲得した)高橋尚子さんのゴールシーンが一番記憶に残っています。当時、中学生で陸上をやっていたこともあり、鮮明に覚えています。私自身も同じようなゴールシーンを描きたいな、という思いで競技を続けています」

 -東京五輪での目標は。

 「もちろん金メダルを狙っています。自分自身の目標がそうですし、周りが求めていることもそれしかないと感じています。世界陸上のときと同じでシンプルに、金メダルを意識して勝負していきたいです」

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