白鵬、電話取材で28日ぶり近況報告 引退豊ノ島との思い出も語る

 史上最多44度の優勝を誇る大相撲の横綱白鵬(35)=宮城野=が20日、都内の部屋で稽古後、電話取材に応じた。新型コロナウイルスの影響で無観客開催となった春場所で優勝。一夜明け会見した3月23日以来、28日ぶり近況を伝えた。

 先場所痛めた箇所もあり、長期休養し、稽古は今月11日から再開。午前中に四股、すり足、テッポウなど基礎運動を約2時間。夕方からは自宅で器具を使い、1時間、トレーニングしている。

 昨年は右腕の筋断裂、今年初場所は右足かかと、腰を痛め途中休場と、年齢を重ねケガは増えてきた。「この休みの期間を使って病院で徹底的に体の検査をした。ずっと気になっていた、いろんな部分の痛みの原因も分かって良かった。今は治療を繰り返しながら、古傷も新しいケガも徐々に良くなりつつある。体のパーツ、パーツをストレッチで伸ばして確認しながら体を締めている、そんな状態」と、説明した。

 協会から濃厚接触を回避するため先週からぶつかり、申し合い稽古を自粛するよう通達があった。「だから、今できない分、それが力士にとっていかに大事なことかを改めて感じている。早く相撲を取りたい、そんな気持ちになっている」と、心境を語った。

 17日に相撲巧者の小兵、元関脇豊ノ島(36)=時津風=が引退し、年寄「井筒」を襲名。10年九州場所で14勝同士、決定戦を行い、自身が勝ったものの、相撲のうまさは、覚えている。

 引退のニュースを見て、「長い間、お疲れさまでした。これからもよろしくお願いします。これからの人生が長いからまた頑張りましょう!」とメッセージでねぎらった。

 豊ノ島からは「ありがとうございます。同じ時代に戦うことができて良かったのと同時に、憎いくらいに強かったです。でも63連勝の最強の横綱と、その記録を作った場所で優勝決定戦を戦えたことが何よりも誇りです。これからもよろしくお願いします」と、返信があった。

 思い出の対戦は白鵬もやはり優勝決定戦。この場所は連勝記録が63で止まってから、気持ちを立て直した。「過去の横綱たちも連勝の止まった場所では、そのまま連敗したり、休場したりしていたと聞いた。私は父から電話で励ましなどもあり、その場所でもう一度、心を持ち直して優勝できた。それだけにとてもうれしかった場所。その場所で豊ノ島関と2人で優勝決定戦を戦えて私にとっても大きな思い出。そういえば横綱として初めて金星を与えてしまったのも豊ノ島関。手ごわかった。本当に相撲がうまかった」と、思い出は尽きない。

 身長168センチの小兵でやりづらい相手だった。「小さい人は頭から当たって押すのが当然と思われがちだけど、あの身長と体重で胸から当たって差しに来る。考えられない。絶対に左だけは差させないぞとイメージして土俵に上がった。決定戦もそれを意識した立ち合い」と振り返った。

 トークも上手で白鵬のモノマネでも楽しませた。「私もいつも楽しませてもらった。豊ノ島関は小、中、高と相撲を取ってきた。入門は私が先でも、相撲人生は私より先輩だと思っていた。そういう明るさがあって人の良さもあって人間としても好きだった。私は2010年に白鵬杯(少年相撲向け自身の冠大会)を始めた後、すぐに行動したのは豊ノ島関のすごさ。白鵬杯の後、すぐに高知の宿毛で豊ノ島杯を開催した。子供たちを大相撲の未来につなげていかないといけないと思っていたからこそ。そんな気持ちで子供たちのための大会を開催した豊ノ島関は、今後の相撲発展のために絶対に必要な人だと思う」と、今後にも期待した。

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