土俵祭りが静寂の中で実施…くしゃみの音響く 八角理事長ら祈った「無事に千秋楽を」

 無観客の会場で土俵祭りが行われた(撮影・高部洋祐)
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 「大相撲春場所」(8日初日、エディオンアリーナ大阪)

 初日を翌日に控えた7日、エディオンアリーナ大阪で土俵祭りを行い、八角理事長(元横綱北勝海)らが15日間の無事を祈った。新型コロナウイルス感染拡大の影響で史上初の無観客開催となり、土俵祭りも通常と違い、横綱ら三役以上の力士は不参加で観客もなし。感染者が1人でも出れば途中打ち切りの春場所が超厳戒態勢で幕を開ける。

 8000人収容の館内が静まり返っていた。升席には誰1人、姿がなく3階の椅子席で約50人の報道陣が見守るだけ。土俵周りに八角理事長、春場所担当部長の高島親方(元関脇高望山)ら協会幹部、審判部の親方衆、全行司らが集結。午前10時、厳粛な祭事が始まった。

 歓声のない本場所のさみしさを十分に感じさせるリハ。カメラマンのシャッター音、足音、くしゃみが響く。祭主の立行司・式守伊之助が出席者を清める榊(さかき)を振る風音までよく聞こえた。祭りが終わると、親方衆らはすぐにマスクを着用し帰路を急いだ。

 1人感染者が出れば打ち切り。37・5度以上の発熱が2日続けば休場。原則、自家用車かタクシーで全員が裏口から会場入りし、横綱でも例外はない。報道陣にも極力、力士との接触を避けるよう取材態勢が敷かれた。

 感染予防のため、協会はマスク3000枚、消毒スプレー350本(無くなったら購入)、除菌消臭液の噴霧器22台を準備した。本番では土俵周りに消毒液が置かれ呼び出しが徹底的に除菌を行う。

 厳粛、厳戒に15日間の無事を土俵の神に祈った。春場所責任者の高島部長は「いよいよ明日から。理事長が言っていたように、力士には熱戦を期待しています。(無観客は)最初は雰囲気に慣れないと思うけどその中で相撲を取りきるということが大事」と話した。

 土俵祭りでは「1人も(感染者が)出ないことを祈った。無事に千秋楽を迎えたい。この状況で余計に注目されると思う。テレビ中継もされるし、しっかりとした姿勢で臨みたい。(伝統文化継承の意味でも)成功させたい」と決意を込めた。

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