貴景勝が全力1勝 左胸問題なし!執念の押し出しで完勝 無言の“侍オーラ”で集中

 「大相撲九州場所・初日」(10日、福岡国際センター)

 中入り後は左大胸筋肉離れから再起を期す大関貴景勝(23)=千賀ノ浦=が幕内隠岐の海を押し出して完勝発進した。横綱鶴竜が初日から休場し、1人横綱となった白鵬が北勝富士を一蹴。大関はかど番の高安は勝ったが、豪栄道は小結遠藤に屈した。

 貴景勝は左腕に全力を込めハズで押した。のけぞる隠岐の海に体ごと持たれ込み、執念で押し切った。

 反応、動き、出足も文句なし。何より左胸が全開で使えることを本場所土俵で示した。秋場所千秋楽で負った重傷から42日。復活へののろしを上げる大きな1勝を手にした。

 支度部屋では立ち合い、けがの回復を問われたが珍しく無言を貫いた。この日の朝稽古後も付け人に指示、質問を遮った。闘志の表れか、集中を高めるためか、語らぬスタイルで“侍のオーラ”を漂わせている。

 右膝の大けがを乗り越え、先場所12勝を挙げて1場所で大関に返り咲いた。一方で先場所後は左胸全体が紫色に内出血が広がった。痛々しい姿に周囲は九州場所の出場は絶望的と捉えた。同カ所を負傷し、引退に追い込まれた元横綱稀勢の里(現荒磯親方)の悪夢の再現も危惧された。

 それでも23歳は不屈だった。秋巡業に途中合流しじっくり下半身を鍛え抜いた。1年前、初優勝を果たし人生を変えた九州に大関として凱旋。「出ますよ。大関として出るからには優勝を目指す」と、宣言してきた。

 初日でけがの不安は払しょく。九州連覇へいざ進撃だ。

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