朝乃山 栃ノ心撃破で先場所の“因縁”に決着 「力出し切った」

 「大相撲名古屋場所・5日目」(11日、ドルフィンズアリーナ)

 先場所、初優勝の幕内朝乃山が大関栃ノ心を満点の右四つで寄り切って2勝目(3敗)を挙げた。先場所は物言いの末、際どい判定勝ちだっただけに、スッキリ決着をつけた。初の横綱、大関総当たりを終え、初日の豪栄道に続き大関から2勝は上々の評価だ。白鵬は遠藤を小手投げで逆転、鶴竜は碧山を一蹴し両横綱は無傷5連勝。平幕の友風、照強も全勝を守り、4人がトップで並ぶ。

 必勝の一番、朝乃山は立ち合い、頭からぶち当たった。踏み込みで圧倒し、得意の左上手。右の差し手を返して相手の上手を封じて一気に出た。3秒9の完勝劇。同じ右四つで巡業ではいつも胸を出してもらった栃ノ心に最高の恩返しをした。

 「自分の相撲が取れた。胸からいったら上手を(先に)取られる。思い切り頭でいった。きょうのような相撲を取れば幅が広がる」と自信を深めた。

 先場所は栃ノ心に軍配が上がったが、栃ノ心のかかとが先に出ているかを巡り、物言い。長時間の審議の末、逆転の判定勝ちとなった。初優勝へ幸運な1勝だったが、「負けていた」と朝乃山はずっとモヤモヤを抱えた。

 待望していた再戦。「きょうは物言いが付かないようと思って取った」。スッキリ“因縁”に決着をつけた。

 初の横綱、大関総当たりを終え2勝。両横綱相手にも全力で爪痕を残した自負はある。「力は出し切った。体を生かして攻めていきたい」。中盤以降、上位戦線に食らい付く。

 八角理事長(元横綱北勝海)は「(朝乃山は)絶好の体勢だよね。今日もそうだけど初日みたいな勝ち方は自信になる」と評価。勝負審判の藤島審判部副部長(元大関武双山)は「上等でしょう。初の総当たりの場所で頑張っている」と成長を認めた。

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