宇野昌磨が気迫でSP首位「今の僕にとって最大の演技」、復帰の高橋大輔は2位
「フィギュアスケート・全日本選手権」(22日、東和薬品ラクタブドーム)
男子ショートプログラム(SP)が行われ、3連覇を目指す宇野昌磨(トヨタ自動車)が足に不安を抱えながら気迫の演技で102・06点を獲得し、首位に立った。2位には、5年ぶりの全日本復帰となった高橋大輔(関大KFSC)が復帰後最高の88・52点で入り、目標としていたフリーの最終グループ入り(SP6位以上)を果たした。
宇野は演技直前の6分間練習で足を痛めたような様子を見せ、以後、ジャンプの調整をできないまま、すぐに自身の滑走順を迎えた。万全の演技ができるか不安視される中、冒頭の4回転フリップを着氷、続く4回転トーループからの連続ジャンプでは、2本目のジャンプを3回転から2回転に抑えたものの着氷させた。
さらに3回転アクセルも美しく降り、演技後は鬼気迫る表情で右腕を振り下ろすガッツポーズを見せた。「今の僕にとって最大の演技ができた。安心というか、やってやったぞ、という強い思いがあった」と振り返った。負傷したかどうかについては「気づいた人もいるかもしれないけど、僕の口からは何も言わない」とし、多くは語らなかった。
高橋は観衆が固唾(かたず)をのんで見守る中、冒頭の3回転アクセル、3回転-3回転の連続ジャンプを着氷させ、3回転ルッツも降りた。世界一と評された美しいステップも健在だった。
「やっぱり試合っていいなと思った。この場所が居心地がいいなと。今回の試合が終わっても、もっとこの場所にとどまっていたいなという気持ちが強くなっている。世界の舞台はもっと居心地がいいのかなとも思う」と、今季に限らず第一線の現役を続けることも示唆した。
【上位選手の成績】
1)宇野昌磨 102・06点
2)高橋大輔 88・52点
3)島田高志郎 80・46点
4)田中刑事 79・32点
5)中村 優 77・11点
6)鍵山優真 74・51点
7)友野一希 73・09点
8)木科雄登 72・96点