紀平、真央さん魂継承 偉大な女王に「近づけるようにしたい」

 「フィギュアスケート・NHK杯」(11日、広島県立総合体育館)

 上位選手によるエキシビションなどが行われた。女子で男女を通じて日本勢初のGPシリーズ初出場優勝を果たした紀平梨花(16)=関大KFSC=は一夜明け、同じトリプルアクセル(3A)=3回転半ジャンプ=を武器にした元世界女王の浅田真央さん(28)のようなトップスケーターへの飛躍を誓った。“元祖トリプルアクセルジャンパー”の伊藤みどりさん(49)からも絶賛された“進化系3A”を武器に、まずは次戦のフランス杯(23日開幕・グルノーブル)で、シリーズ上位6人によるGPファイナル(12月6日開幕・バンクーバー)進出を狙う。

 ニューヒロインの階段を駆け上がった16歳は、快挙から一夜明けても気持ちが追いつかない様子だった。浅田真央も羽生結弦もなしえなかったGPデビュー戦V。「誰もやったことのないことをやった実感がない」と、初々しくはにかんだ。

 伊藤、浅田ら日本女子のエースが継承してきた“宝刀”トリプルアクセルをフリーで2回成功させ、SP5位から大逆転した。総得点は世界2位。平昌五輪金メダリストのザギトワ(ロシア)の世界記録には約14点及ばないが、紀平はSPで転倒しているだけに十分頂点を狙える位置にいる。「どんな相手でも自分の完璧な演技ができれば…」と自信を手にした。

 “継承者”としての自覚も芽生えた。見据えるのは偉大な先輩の背中だ。「1戦目で勝てたけど、まだまだ。浅田真央さんに近づけるようにしたい」。この日、イベントで来場した“元祖”の伊藤さんは「簡単に跳んでいる。効率のいい跳び方をマスターしている」と、紀平の“進化系3A”を絶賛。「世界は4回転を跳んでいるけど、アクセルを武器に変えて世界のトップを目指してほしい」と、後継者に期待を寄せた。

 次戦はフランス杯。「次はSPも完璧にやって、完璧のノーミスを目指したい」と紀平。若き紡ぎ手とともに、新たな3回転半物語が始まった。

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