デニス・テンさん刺殺 真央さん「なぜ、どうして」タラソワコーチの下でともに練習

 フィギュアスケート男子の14年ソチ五輪銅メダリストのデニス・テンさん(25)=カザフスタン=が死去したと、同国メディアの「KAZINFORM」が報道した。

 カザフスタンの英雄を襲った悲劇。日本選手たちとの交流も深い選手だっただけに、大きな悲しみが広がった。タチアナ・タラソワコーチの指導を受けている際にロシアで一緒にトレーニングに励んだ浅田真央さんは、自身のインスタグラムを更新し、「なぜ、どうして、信じられません、信じたくありません。大切な仲間の命が奪われたなんて、辛いです。悲しいです。日本のショーにきてくれたり、カザフスタンのショーに呼んでくれたり、カナダやロシアで一緒に練習やテニスやバーベキューをしたりしました。とても優しくて、面白くて、いつも一生懸命な人でした。心よりご冥福をお祈りいたします」と、悲しみを綴った。

 互いが主催するアイスショーにも出演し合う仲。引退した際、テンさんは自身のSNSで「競技生活はいつか終わるけど、外には全く新しい世界が広がっている。真央、これからの人生の旅がすばらしいものになりますように」と、エールを送り、真央さんとの2ショットの写真を掲載している。

 同国メディアによると、テンさんはアルマトイ市内で車のミラーを盗もうとした2人に右大腿部などを刺されたという。その後、救急車で運ばれたが、報道によれば「3リットル」の血液を失うほど、出血がひどく重篤な状態に陥っていたという。「KAZINFORM」は最新のニュースで同国保健省の関係者の「残念なことに、私たちはもう彼には会えない」というコメント掲載し、死亡が確認されたと伝えた。今後、記者会見で説明されるという。

 テンさんは朝鮮系カザフスタン人のフィギュアスケーター。14年ソチ五輪ではSP9位からフリーで圧巻の演技を見せ、羽生結弦、パトリック・チャンに次ぐ銅メダルを獲得。カザフスタンにフィギュアスケートで初めてメダルをもたらした英雄だった。

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