アジア初Vのバド桃田賢斗、過去振り返らず「復活より進化を」

 バドミントンのアジア選手権男子シングルスで日本勢で初めて優勝した桃田賢斗(23)=NTT東日本=が30日、成田空港着の航空機で帰国した。完全復活を印象づけたが、「復活というより進化できるように」と過去は振り返らず、さらなるレベルアップを目指す意思を示した。

 かつて世界ランク2位まで登りつめた過去とは違う新しい桃田として、再び世界のトップ戦線に浮上してきた。かつては相手のネット前に落とすヘアピンなど相手の意表を突くショットを代名詞としていたが、不祥事による出場停止処分中にはフィジカルを鍛えてスピードやスタミナを武器にするスタイルをとっていた。

 スピードが速くなった分、変幻自在のプレーが鳴りを潜めていた時期もあったが、今回はネットプレーや粘り強いラリーが融合。「2つが少しずつ自分の中でかみ合ってきている。フィジカルの強化ができた分、ショットの精度は上がっていると思う」と自信を深めた。

 今大会、5試合のうち4試合は現世界ランク10傑のシード選手という過酷なトーナメントを制した。桃田にとっては再び世界トップ選手と対戦できた喜びが大きく、「1大会でその4人と戦えたことが貴重。5試合を戦い抜けてフィジカルに手応えがある。あまり疲れがたまった感じもなく、純粋に強敵との戦いを楽しんでいる自分がいた」と声を弾ませた。

 最も印象に残った試合として、五輪3大会連続銀メダルの英雄リー・チョンウェイ(マレーシア)に初勝利した準決勝を挙げた。「憧れていた選手に勝つことができた。自分も戦えるんだと、少し自信になった」と手応えを口にし、「(不祥事による処分で)自分がつらいときに言葉をくれて励みになった。対戦して不思議な感覚だった」と明かした。

 次戦は5月の国別対抗戦トマス杯(バンコク)に出場する。4年前は日本の初優勝に貢献しただけに「もう一度優勝に導けるように、責任を果たせるように頑張りたい」と誓った。

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