ペアの意外な関係性が魅力のカーリング混合複 兄妹のような藤沢組、吉田夕組は…

 「カーリング・日本混合ダブルス選手権」(16日、みちぎんドリームスタジアム)

 平昌五輪で巻き起こったカーリングフィーバーにより、注目を集める青森で開催中の日本混合ダブルス選手権。平昌で日本カーリング史上初の銅メダルを獲得した女子のLS北見と、同五輪男子代表SC軽井沢のメンバーが組んだ五輪ペア3組が技術の違いで快進撃を見せており、会場を盛り上げている。

 ここまで予選で破竹の5連勝。すべて大差の圧勝と無敵の強さを見せているLS北見スキップの藤沢五月(26)と、SC軽井沢セカンドの山口剛史(33)ペアは、ジュニア時代からの顔なじみ。開幕前の会見で藤沢が「兄妹のような間柄」と話したように、天才肌な“妹”を“兄”が上手く舵を取りながら連係をはぐくんでいる。予選3戦目にはライン(コース)やウエート(速さ)のすり合わせが不完全のまま、藤沢が投げてしまう場面があり「私が(チームの約束事を)忘れて、ツッコまれてます。『ちゃんとやってよ』って」と、山口にたしなめられる場面も。山口は「迷った表現をして、そのまま投げるから(スイーパーとしては)掃きにくい」と苦笑いしつつ「それで決めちゃうから、やっぱり天才」と、フォローしていた。

 予選5戦目には、山口が藤沢の指示に「あいよー」と応えた後、「そだねー」と、LS北見の“代名詞”の相づちを照れくさそうに口にする場面も。試合ごとに息の合ったプレーが増えてきた。

 一方、大会中に関係性が変化を見せているのが、LS北見のリード吉田夕梨花(24)と、SC軽井沢のスキップ両角友佑(33)のペア。大会前には吉田夕が「両角お兄ちゃんについていきます」と話していたが、まさかの黒星発進から、激闘を繰り広げていく中で徐々に役割が変わってきた。吉田夕がやりやすいように、LS北見で行っている試合前のハイタッチや、試合後のハグなどのルーティンを導入。1投目と5投目を担当する吉田夕の調子が上がると、着実に試合内容も良化。一気に4連勝を飾った。

 予選4試合目には速いテークショットのミスが続いた両角を、吉田夕が「もうちょっと落ち着きましょう」と諭す場面も。試合後は「うちの両角がドーンっていうのをやりたがるので」と、苦笑い。両角は「夕梨花さんに助けられっぱなしです」と、9歳下のパートナーに最敬礼。徐々に尻に敷かれ始めてきた。

 昔から家同士の付き合いもあり、所属でのポジションも同じサードという吉田知那美(26)、清水徹郎(30)は「もともと仲がいいので」(清水)と話すように、他ペアより距離感が近く、序盤から好連係で勝ち星を積み重ねた。予選4戦目には吉田知がミスショットを連発し、初黒星。清水は「大丈夫大丈夫。良く投げてるよ」と、優しく声を掛け続けた。絆の強さで巻き返しを狙う。

 17日には1次リーグ最終戦と、プレーオフ、18日には準決勝、決勝が行われる。それぞれの“色”が出始めた五輪ペアの激突の可能性も十分。平昌五輪でカーリングにはまったファンたちには魅力的な戦いとなりそうだ。

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