年寄小野川襲名の北太樹が引退会見「やり切った」 先代師匠北の湖親方に感謝

引退会見で汗を拭う北太樹=両国国技館(撮影・堀内翔)
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 「大相撲初場所・2日目」(15日、両国国技館)

 元幕内で東幕下3枚目の北太樹(35)=本名・讃岐明義、山響部屋=が15日、両国国技館で引退会見を行った。年寄小野川を襲名し、後進を育成する。

 北の湖部屋に入門し、98年春場所で初土俵。07年名古屋場所で新十両に昇進。08年秋場所で新入幕した。十両優勝2度、最高位は東前頭2枚目。

 20年の土俵人生を振り返り「一番一番悔いなく取ってきた。充実した20年だった。悔いは一切ない。本当にやり切った」と、すがすがしい表情で語った。

 昨年秋場所で幕下に降下し、今場所も土俵に上がる気持ちで稽古してきたが体は限界。「股関節の軟骨がすり切れて、骨と骨とが直接ぶつかる状態が何年も続いていた」と明かす。腰も折れず、足も前に出なくなり相撲の動きができなかった。

 先代師匠の北の湖親方(元横綱)は「優しい方だった」と言う。入門した頃、就寝中、目を開けると、布団をかけてくれた人がいた。よくみると先代師匠で「1人1人に布団をかけていた」と優しさに感激。「私もそういう人にならないと」と指導者としての教本だ。

 一方で四股、すり足、テッポウなど基礎運動の徹底には厳しかった。教えを胸に稽古を怠らなかったからこそ、35歳までできた。

 兄弟子であり現在の師匠・山響親方(元幕内巌雄)も会見に同席。「稽古をやらないと落ちる」と伝えたところ、翌日の稽古で痛み止めの座薬を入れて稽古で追い込む弟子の姿を見て心が震えた。今後もその執念は後輩への手本になる。

 一番の思い出は北の湖親方が亡くなった15年の九州場所。13日目に急逝し残り2日が北の湖部屋最後の2番になった。14日目の正代に負け、千秋楽は佐田の富士に勝利。「悲しいけど一生懸命頑張らないとと思った。2番が記憶に残っている」としみじみと語った。

 今場所初日の朝、前の北の湖部屋に行き、師匠の仏壇に引退を報告した。「ありがとうございましたという感謝の気持ち。親方になるので、今まで以上に気を引き締めて頑張りたい」と力を込めた。

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