坂本花織逆転五輪 笑顔満開!17歳神戸っ子

 「フィギュアスケート・全日本選手権」(24日、武蔵野の森総合スポーツプラザ)

 フィギュアスケートの平昌五輪代表が全日本選手権後に発表され、2枠の女子は宮原知子(19)=関大=と坂本花織(17)=シスメックス=に決まった。全日本選手権を4連覇した宮原に次ぐ2枠目は、坂本と樋口新葉(16)=東京・日本橋女学館高=の争いだったが、伸び盛りの17歳が初の五輪切符を手にした。3枠の男子は五輪2連覇に挑む羽生結弦(23)=ANA=と、全日本選手権連覇を果たした宇野昌磨(20)=トヨタ自動車=の二枚看板が順当に選ばれ、3人目には全日本2位の田中刑事(23)=倉敷芸術科学大大学院=が入った。

 祈りは届いた。女子1番手の宮原が呼ばれた後、数秒の静寂の後、「坂本花織」の名前がコールされると、この日、一番の歓声が巻き起こった。とびっきりの笑顔でリンクに飛び出していった坂本は「去年のユース五輪ではけがもあって、納得できる演技ができなかったので、本当の五輪ではリベンジしたい気持ちがあった。緊張すると思うんですけど、自分らしい勢いのある演技ができたら」と、力強く抱負を語った。

 大逆転での五輪切符だった。今季、15年世界ジュニア女王の本田とともにシニアデビュー。世界ジュニア選手権で3位の実績があるとはいえ、シーズンが始まる前は、あくまでシニアの国際大会で実績のある宮原、三原、樋口、本郷、そして本田に次ぐ存在。2枠しかない五輪出場には遠い存在だと思われていた。テレビ番組の有力選手特集でも“蚊帳の外”。「なんで私だけ映らないの」と肩を落としたこともあった。

 それでも試合で経験を積むたびにたくましくなっていった。全日本までに、何と8試合を消化。精神面でも「ジュニアの時はみんなと仲良くやってた。シニアはずっとピリピリしていて、なんか違うなって。最初はその空気が重すぎて、全然自分には合わないと思っていた」と当初は腰の引けた状態でいたが、「たいぶ慣れてきました。みんなに負けないぞって思えるようになった」。いつも絶やさない笑顔に潜ませた闘争心を演技で爆発させ、五輪レースで大まくりを決めた。

 2位になり、選考で樋口との一騎打ちに持ち込んだフリーから、一日たっての代表発表。男子の演技を見ている間も「不安でしょうがなかった」が、願いはかなった。圧倒的な飛距離のあるジャンプを誇り、勢いならナンバーワンの17歳。右上がりの成長曲線は、夢舞台で波乱を巻き起こす可能性を秘めている。

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