宮原の一発回答か 代表争いキーマンは女王!11カ月ぶり復帰戦へ

 「フィギュアスケート・NHK杯」(10日開幕、大阪市中央体育館)

 フィギュアスケートのGPシリーズ全6戦のうち、ここまで3戦が終了した。10日開幕の第4戦NHK杯では、代表2枠を争う上での「キーマン」とも言える日本選手権3連覇中の宮原知子(19)=関大=が約11カ月ぶりに復帰する。ただ宮原が実戦から離れている間、樋口新葉(16)=日本橋女学館高=や三原舞依(18)=シスメックス=らが台頭。女子の代表争いは混沌(こんとん)としている。GPシリーズ前半戦を振り返りながら、2枠を巡る女子の五輪代表争いを分析する。

 たった2枠の代表権を争う女子フィギュアスケートで、混沌(こんとん)とした情勢を左右するのが女王・宮原だ。全日本選手権3連覇や昨季GPファイナル銀メダルなど、これまでの実績を考えれば、その存在は絶対的。昨季後半を棒に振った左股関節の疲労骨折さえなければ、その地位は簡単には揺らがなかっただろう。

 しかし実際はケガがあり、回復も長引いた。このNHK杯が約11カ月ぶりの復帰戦。7月に関大で行われたアイスショーで久々に氷上に姿を見せたときでさえ、「思った以上に足が震えた」と話していたから、その緊張はひとしおだろう。

 戻ってくる宮原の状態は正直、不透明だ。約1カ月前には「試合に向けてもっと上げていかないといけないけど、調子自体は順調」と笑顔で話し、これまで制限していたジャンプも全種類の練習をしていると明かした。3回転-3回転も練習しているという。ある程度の状態まで戻した上でのカムバックだとは思うが、日本女子の序列のどの位置に入るかが、今後の代表争いの鍵を握る。

 宮原自身は「(目標は)全日本で一番いい演技をすること。五輪に出場したいってのが最大の目標ではあるけど、そこに到達するには全日本が大事」と語っている。GPシリーズも上位を目指して戦うことに違いないだろうが、全日本優勝者=五輪代表内定と明記されている以上、GPシリーズはある程度割り切って試合勘を取り戻し、試合でこそ分かる課題を見つけた上で、全日本選手権で一発回答。全日本選手権に100%の状態を合わせて勝負する、というのが宮原が描く青写真のはずだ。

 ただ、多くの関係者が見守るこの復帰戦で「これじゃ勝負できないだろう…」という印象を植え付けるのは賢明ではない。最低限の存在感を見せられる、宮原知子ここにありという演技を、大阪の地で見せて欲しい。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス