安美錦「横綱とやりたい」 39歳0カ月 最年長再入幕は通過点

 「大相撲九州場所」(11月12日初日、福岡国際センター)

 日本相撲協会は30日、九州場所の新番付を発表し、安美錦(39)=伊勢ケ浜=が8場所ぶりに幕内に返り咲いた。39歳0カ月での再入幕は土佐ノ海(立川親方)の38歳6カ月を更新し、昭和以降最年長。福岡・太宰府市内の宿舎で会見し、再び横綱戦を目標に掲げた。新小結阿武咲(21)=阿武松=が平成以降初土俵では年少6位となる21歳3カ月で新三役。秋場所で優勝した日馬富士(伊勢ケ浜)が1年ぶり東正位の横綱に就いた。

 技同様、切れ味抜群の安美錦節だった。番付発表時の会見は07年秋場所での新関脇以来、10年ぶり。「迷惑な話ですよ。内心はうれしい」と細い目をさらに細めた。続けて「もう引退会見しかないと思った」と笑わせた。

 会見前には日馬富士に呼ばれ、ツーショット写真を撮った。横綱からは「心から尊敬している」と不屈の魂を褒めたたえられた。39歳0カ月、昭和以降最高齢で幕内に返り咲いた。

 「中身の濃い1年半でした」と苦心の日々を思った。幕内だった昨年夏場所に左アキレス腱(けん)を断裂。2場所連続休場で十両に陥落した。「いろんな人に聞き、自分の体を実験台に治療を試した」。手探りの治療に再発の恐怖。動かぬ体にムチを打った。

 支えは絵莉夫人ら家族。まな娘2人に続き7月には第3子の長男も誕生した。「3人目が相撲を分かるまで取れたら。いったい、いくつになっちゃうんだ?」と冗談めかしたが再入幕は目標じゃない。「何歳になっても安美錦らしさが出ればいい。期待されなくなったらもういい」。大台40歳すら通過点だ。

 10月3日に誕生日を迎え、39歳新たなスタート。「(4横綱と)早く当たれるところまで毎日頑張っていきたい」。魁皇以来2人目の幕内在位100場所もあと6場所。「100を突破して200、300」と上だけを見据えた。

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