伊達公子・一問一答(2)初めて勝てたグラフは格別な存在「忘れられない試合」

 8月28日に自身のブログで現役引退を発表した、女子テニス元世界ランキング4位の伊達公子(46)=エステティックTBC=が7日、東京・有明コロシアムのセンターコート上で引退会見を行い、引退を決断した理由や2度にわたる現役生活を振り返った。

 伊達の一問一答(2)は次の通り。

 -有明での引退はタイミングも良かった。

 「日本、東京、できればコロシアムと言いたかったが、ジャパン女子オープンは残念ながらコロシアムを使わないということ。(ランキング的に)本戦から出場するのは現実的に難しい状態だったが、主催者枠で出場させていただくチャンスをいただけたことに感謝したい。ただ、ワイルドカード(主催者枠)をお願いしたときは、全然引退を考えていない時期だった。その後も突き進むつもりで『ワイルドカードをお願いします』と頼んでいたが、流れの中で引退することになってしまった」

 -最初の引退をする前の思い出深い試合は。

 「90年代のファーストキャリアの中では、やはり私にとっては、この有明コロシアムで公式戦ではないがフェデレーションカップでグラフと長時間にわたって戦って勝利した、当時のナンバーワンのグラフに勝った試合はやはり忘れられない試合でしたね。この有明コロシアムで当時立ち見のお客さん、入れなかったお客さんが会場に足を運んでいただいて、そのとき私は足をケガをしていまして、歩くことすらできない状況の中で戦って日本がドイツに勝った。グラフに初めて勝てた。その試合が一番思い出深いです。それと、やはり忘れられないのはウインブルドンのセミファイナル(グラフ戦)の日没サスペンデッド。今であれば有明と同じ開閉式の屋根があるんですけど、20年前には屋根がなくて2日間にわたって戦った試合。それが思い出深い」

 -グラフさんとの対戦がやはり思い出深い。

 「グラフはあこがれというか、当時はホントにダントツの強さでした。あこがれとは呼べないくらいの存在感と強さというものを持ち合わせていた。真のアスリートだったんじゃないかな。ナンバーワンであるべきプレーヤーで目標とかあこがれとか、そういうことを呼びたくても呼べないくらいの格別な存在でした」

 -復帰してからの思い出深い試合は。

 「ファーストキャリアよりも一つ一つが私にとっては全力だったので、たくさんあるんですけど、世界レベルで戦うことを目標に再チャレンジを始めたわけではない。全日本選手権を目標にスタートを切った。そのための準備として大会に出始めたことによってランキングがついてきて、気がつけばグランドスラムの予選に挑戦できる位置まできていて、全豪オープン予選をクリアして本戦に出場することもできて、その試合が思い出に残っています。また強いて挙げればやはり、ウインブルドンのビーナス戦が、勝負には負けてしまったが、今の女子のパワーテニスに対して自分の展開の速いテニス、そしてネットプレーをミックスすることによって今のパワーテニスに対抗できるテニスができたことが一つ。そして、その日は雨が降っていてルーフを閉めてプレーしたが、日没サスペンデッドでプレーした私が歴史を変えて屋根が閉まったウインブルドンでプレーができたことを非常に思い出深く感じていますし、試合の後にはプレーヤーズラウンジやロッカールームで多くの選手とか、また私とさほど年齢の変わらないコーチ陣とかスタッフとかが試合を見て、ホントにたくさんの、普段であればライバル同士の選手さえも、試合の後に『リスペクトする』とかたくさん声をかけてくれて、素晴らしい忘れられない試合の一つでした」

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