ラストも川内節【一問一答】実業団選手にチクリ「給料使ってでも下見を」

 「陸上・世界選手権」(6日、ロンドン競技場)

 男子マラソンが行われ、日本勢では終盤に執念の走りを見せた川内優輝(30)=埼玉県庁=が2時間12分19秒で9位に入った。看板激突、転倒、給水失敗と“川内劇場”を繰り広げながら、それでも最後は出場選手の中で群を抜く70回に及ぶマラソンの経験を生かし猛追。入賞までは3秒届かず、ゴール後は天を仰ぎ崩れ落ち、車いすで搬送されたが、完全燃焼の走りを見せた。以下は川内との一問一答。

 -惜しくも入賞に届かなかった。

 「そうですね。もちろん7、8位が見えていたので、悔しいのはある。ただ、悔しさとともに、ようやく自分の中でやりきれたかな。メダル目標で、最低でも8位と言っていて9位で、最低にもいけなかったんですけど、自分の中では出し切れた。本当にこの(日本代表の)6年間は無駄じゃなかったかな」

 -完全燃焼?

 「実力不足は露呈したけど、その中で経験を生かせた。日本代表としてやるべきことはやれたかなと思う」

 -トラブルも多かった。

 「給水失敗したときも焦らずにゼネラルの水を取れたし、転んですぐに起き上がったり、看板にぶつかってよろけたんですけど、追いついた部分とか、アクシデントがあっても追いつけたのは、過去の経験があったから」

 -転んだ時は?

 「また転んでしまったと思ったけど、転んで吹っ切れた部分もある。あまりダメージがなく、血も出てなかったのでよかった」

 -追い上げている時の心境は。

 「沿道から家族が順位を叫んでくれていて。『17位!』って言われて、また17位(過去2回の世界選手権はともに18位)かよって思って、17位とか18位とかそういうのはもういいんだ!って思って、もう17位なんて順位は嫌だと。少しでも上の順位をと思って走った」

 -そのとき入賞は頭にあった?

 「入賞はいけなくても、過去の経験から10位は絶対に行けると思ってた。過去の海外のレースでも1回10何位まで落ちて、6位まで上がった経験あったので、粘れば絶対(上位は)落ちてくると思っていたら、案の定落ちてきた。しかも落ちてくる選手が知っている選手ばかりで。福岡や、大邱マラソン、びわ湖、ストックホルムで戦った選手たち。最後は中本選手も落ちてきた。だいたい差してきた選手なので、粘れば絶対行ける、抜かし方は分かっていた。そういう経験が生きた」

 -今後の日本代表にエールを。

 「できることをやれることをすべてやること。今回は年末年始で自費で下見した安心感が生きた。あんまり実業団批判したくはないんですけど、実業団選手だと会社のお金とか、陸連のお金で、自分の給料から出してコース下見しようとはならない。自分のためなんですから、そこはやっぱり自分の給料を使ってでも、コース下見して、打てるだけの対策を打って、いいイメージ植え付けてやるのが大事かなと思う」

 -今後はどうマラソンに関わっていく。

 「ばんばん走っていきます。ただ、夏の大会は苦しいし、日本代表は責任が重くて、キツい。とにかく世界中で走って行きたい」

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