羽生まさかの7位…プリンスへの「思い」空回り ジャンプほぼ失敗

 「フィギュアスケート・世界国別対抗戦」(20日、代々木第一体育館)

 2年前の前回大会で3位の日本は男子ショートプログラム(SP)で、世界選手権覇者の羽生結弦(22)=ANA=が83・51点の7位と出遅れた。宇野昌磨(19)=中京大=は103・53点で1位。女子SPは三原舞衣(17)=神戸ポートアイランドク=が72・10点の3位、樋口新葉(16)=東京・日本橋女学院高=が71・41点の5位。ともに自己ベストを更新し、日本女子史上4人目と5人目の70点超えを果たした。アイスダンスのショートダンスと合わせ、日本はチーム得点で首位発進を決めた。

 自分で自分が信じられなかった。演技を終えた羽生は、ぼう然とした表情のまま天を仰いでつぶやいた。「ごめんなさい」-。

 大トリとして銀盤に登場したが、冒頭の4回転ループが1回転になると、続く4回転サルコーからの連続ジャンプはバランスを崩して右手をつき単発に。試合では今回が最後となるプリンスの名曲「レッツ・ゴー・クレイジー」を鮮やかに彩ることはできなかった。

 怒気を自らにぶつけながら「自分の中で余計な思いが入りすぎてしまった」と話した羽生。自身の持つ世界最高得点(110・95点)には遠く及ばない83・51点で今季ワースト7位。その大きな原因は、プリンスに対する強すぎる思いだった。

 「明日(21日)はプリンスさんの命日なので。気持ちを込めてやろうと集中したつもりだった」。1周忌をしのぶ完璧な演技を披露し、天まで届けるはずだった。ただ思いは空回り。「変なプレッシャーを自分の中でかけてしまった。こんなんじゃ(プリンスの)顔に泥を塗っているようなもの」。あふれ出る悔しさを隠すことはなかった。

 世界選手権に続くSPの出遅れ。シーズン途中に衣装の色を替えるなど試行錯誤を続けたが、完璧なプログラムは最後まで披露することができなかった。「SPに対して苦手意識ができはじめている」ともこぼした。

 「この悔しさを糧にして明日爆発させたい」と絞り出した羽生。世界王者としての意地と誇りにかけて、このままでは終われない。

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