羽生結弦SP7位 4回転失敗し、命日プリンスへ「ごめんなさい」

男子シングルSPを終え、厳しい表情の羽生結弦(撮影・堀内翔)
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 「フィギュアスケート・世界国別対抗戦」(20日、代々木第一体育館)

 男子SPに羽生結弦(22)=ANA=が出場した。自身が持っていたSP世界歴代最高得点110・95点を上回ることが期待されたが、冒頭の4回転ループが抜けてしまい、その後の4回転サルコーでも手をついてしまうミスが出た。得点は83・51点で7位だった。

 プリンスさんの楽曲「レッツ・ゴー・クレイジー」でのSPも今季最後。大会ごとに本家を思い起こさせるようなセクシーさとダイナミックさを兼ね備えた演技を見せてきたが、この日はミスが出てしまった。

 演技を終えた後は天を仰ぎ「ごめんなさい」とつぶやいた。キスアンドクライでも、盛り上げるチームメートの方を振り返って頭を下げた。

 冒頭の4回転ループ失敗は「悪い癖が完全に出てしまったなと思っています。自分の中で余計な気持ちとか、思いがちょっと入りすぎていたなと思っています」と平常心の乱れが理由だと振り返った。21日はプリンスさんの命日。「明日がプリンスさんの命日だったので、そういう気持ちも込めて集中していたつもりだったんですけど…申し訳ない気持ちでいっぱいです」と偉大なアーティストにも謝罪した。

 世界選手権で大逆転優勝を果たし、調子自体は悪くなかった。しかし、ミスが出てしまい、「こうやって最後までつくりきれなかったので、また時間をかけてショートプログラムというものに対して苦手意識ができはじめちゃっているので、時間をかけて打破していきたいと思います」と自分への課題とした。

 プリンスさんの楽曲への思いについても聞かれたが「今の自分には語る資格はまったくないと思っているので。このプログラムを見て、聞いて、楽しんでくださったらうれしい」と厳しく自分を律した。フリーへ「(今大会は)ショート、フリーの合計点数で戦う競技ではない。順位で戦う、みんなで戦う大会なので、今日のことは関係なく、明日は明日でしっかり自分の力を出し切るようにしたいなと思います」と前を向いた。

 羽生は必ずしもミスを少なくまとめる選手ではない。SP世界歴代最高得点はならなかったが、「悔しい気持ちは成長につながる。切り替えなくていいと思ってますし、悔しい気持ちがあるからこそ、また明日ワクワクできるなと思っています」と自分への糧にした。

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