陸上 “2代目”柏原引退、“山の神”たちの今

 箱根駅伝の山上りの5区で圧倒的な強さを見せ、“2代目山の神”と呼ばれた柏原竜二(27)=富士通=が3日、現役引退を発表した。所属先を通じ、コメントを発表し「昨季度重なる怪我・故障をしてしまい、今でも完治しておらず復帰の目処がたたないことから、競技の第一線を退くことにしました」と、理由を説明。今後は社業に専念し、陸上の普及などに努める。

 柏原は東洋大時代に09~12年箱根駅伝5区で4年連続区間賞、3度の区間新記録をマーク。ただ、富士通入り後はアキレス腱痛などに苦しみ、伸び悩んだ。昨年3月の五輪代表選考会を兼ねたびわ湖毎日マラソンでは、2時間22分15秒で52位だった。

 箱根の5区で名を轟(とどろ)かせ、“山の神”と呼ばれたのは、柏原を含め、過去3人いる。

 初代は04~07年に順大で出場した今井正人。2年生で臨んだ05年大会で11人抜きの区間新記録をマークし、脚光を浴びると、新コースとなった06年も5人抜きで区間賞。07年も区間新記録をマークした。トヨタ自動車九州入り後、当初は大学時代のように華々しい活躍はできなかった。08年8月の北海道マラソンで初マラソンに挑戦(2時間18分10秒で10位)。その後も2時間10分の壁を破れず、世界選手権、五輪の選考レースでも落選が続いたが、14年別府大分毎日マラソンで2時間9分30秒をマーク。初のサブテンを記録すると、15年の東京マラソンでは日本歴代6位の2時間7分39秒を記録し、存在感を示した。その後は体調不良、怪我に苦しみ、16、17年東京マラソンでは13、14位に終わっている。

 “3代目山の神”となったのは、青学大の黄金時代を築いた神野大地。3年生だった15年大会で5区に抜擢されると、新コースだったが実質的に柏原の区間氏記録を上回る驚異の区間記録をマーク。青学大の初優勝に貢献した。最終学年の16年は故障明けで前年ほどの快走とはいかなかったが、区間2位の走りで後続との差を広げ、2連覇に導いた。その後、コニカミノルタに入社。1年目はマラソンに挑戦する地道に力を付け、今年2月の丸亀ハーフマラソンでは1時間1分4秒をマーク。現在はニュージーランドで行われている陸連のマラソン合宿に参加中。今年12月の福岡国際マラソンで初マラソン挑戦を予定している。

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