篠浦 地元V狙い撃ち!美術部、茶道部から“転身”元文化系女子

 地元で「日本一」狙い撃ち-。ライフル射撃で過去3度の国体入賞を経験した篠浦玲子(21)=伊予農高ライフル射撃部コーチ=が、大舞台に向け静かに闘志を燃やしている。中学時代は美術部で、伊予農高入学後に茶道部とかけもちで射撃を始めた異色の経歴の持ち主。短期間で世界大会に出場するまでレベルアップを果たし、今秋に迫った愛媛国体にしっかりと照準を合わせている。

 静かに銃を構え、迷いなくトリガーを引く。弾が10メートル先にある標的を撃ち抜いたのを確認すると、集中していた篠浦の顔に柔らかな笑みが浮かんだ。

 いよいよ愛媛国体が今秋に開催される。「射撃を始めた高校1年のときから意識してきた」という目標の舞台。県のスポーツ専門員として母校・伊予農高のライフル射撃部で指導しながら、21歳の期待の星はじっくりと準備を進めている。

 もともとは「人見知りでスポーツ苦手な文化系女子」だった。中学時代は美術部に所属。伊予農高では茶道部に入ると決めていた。入部届けを提出したあと、たまたま友人に誘われ「ライフル射撃同好会」を見学。そこでビームピストルを撃たせてもらったことが、人生の転機になった。

 「初めてなのにけっこう当たったみたいで、先生が『すごいじゃないか』って。生まれて初めてスポーツで褒められたのがうれしくて、やってみたいと思ったんです」

 茶道部と掛け持ちで練習をスタート。それでもメキメキと上達し、わずか半年後の山口国体で4位入賞の結果を出した。2年時から射撃一本に絞ると、翌年の東京国体で県勢初優勝の快挙を達成。気づけば日の丸をつけて国際大会に出場するまで成長を遂げていた。

 射撃の魅力は「誰にも邪魔されず、自分の世界に入り込めること」。一方、その難しさは「トリガリングのコントロール」と篠浦は語る。

 シビれるような緊張感の中で、右手の人さし指を「優しく大胆に、そして真っすぐ」に引けるかどうか。繊細な動きをより安定させるために、全身の筋力アップやメンタル面の強化が欠かせない。もともと「貧血持ち」のため、鉄分を意識して摂取するなど食事面の研究にも熱心だ。

 「地元の国体なんて、なかなか経験できることではない。優勝を目指して楽しみたいですね」。力強く誓ったあと再び右手にピストルを持ち、鋭い視線を標的に向けた。

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