稀勢の里 一夜明け「自分以上の違う力が働いていた」

貴重な?デイリー1面を飾り、満足げに本紙を手にする稀勢の里=東京都江戸川区の田子ノ浦部屋(撮影・出月俊成)
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 大相撲初場所(22日千秋楽)で初優勝を飾り、横綱昇進を確実にした大関稀勢の里(30)=田子ノ浦=が23日、都内の同部屋で一夜明け会見を行った。

 「うれしさは変わらない。よく眠れました。(初優勝は)ようやく手にしたものですけど、もう1回、頑張って引き締めていきたい」と喜びと責任が混じった様子で話した。

 14日目で優勝を決め、千秋楽で横綱白鵬(31)=宮城野=を撃破して自己最多14勝。「いい調整ができた。手応えを持って(場所前の)連合稽古ができた」と、状態の良さを15日間発揮した。

 優勝を意識せず目の前の一番に集中し続けたのも要因。「いつも後半勝負になると…。最後に気を引き締めた。先を見るより、その日をしっかり見ることができたから。今場所は過度の緊張はなく、平常心でやれた。(理由は)分からないな、どうなんだろう」。

 14日目、白鵬が敗れての優勝決定は支度部屋でモニターに背を向けていたため、瞬間を見ていなかった。「千秋楽の方に気持ちを持って行っていたのでビックリした。自分でもそうなると思わずビックリした。過剰に喜ぶのもあれなので、しっかり受け止めて、まだ場所も終わっていないし、切らさずにという感じだった。(涙は)気のせいじゃない?」と語った。

 千秋楽は白鵬に土俵際に一気に持って行かれ、弓ぞりになって粘ってから逆転のすくい投げ。「ものすごくいい状態で花道に入れた。厳しい攻めだった。今まではあの相撲で何番も落としていた。何かこう自分以上の違う力が働いていた。あの残り方をしたのは人生でもなかった。自分の力ではない気がした」。先代師匠の故鳴戸親方(元横綱隆の里)の力かを問われると「そういうのもあるかもしれない」とかみしめた。

 この日、午後に横綱審議委員会が行われ、委員の3分の2以上の賛成があれば横綱に推挙され、25日に第72代横綱稀勢の里が正式誕生する見込みだ。日本出身横綱誕生は1998年三代目若乃花以来、19年ぶりになる。「(横綱は)責任ある地位。負けたら終わりと思う」と気を引き締めていた。

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