沙羅まさか今季ワースト5位 W杯2戦連続表彰台逃しは4年ぶり
「ノルディックスキー・ジャンプ女子W杯」(20日、クラレ蔵王シャンツェ)
個人総合トップの高梨沙羅(20)=クラレ=が、1本目で85メートルでまさかの10位に沈むと、2本目は95メートルの最長不倒で巻き返したが合計208・3点で、今季ワースト順位の5位に終わった。W杯通算勝利数で節目の50勝に王手を懸けてから、これで3戦目となったが、足踏みが続いている。個人総合2位の伊藤有希(22)=土屋ホーム=が1本目89・5メートルで3位につけると2本目で94メートルを飛び、213・6点で逆転でW杯2勝目を達成した。
まさかが再び起こった。1本目、最終ジャンパーだった高梨の時に、不利とされる追い風が最も強く吹いた。ジャンプはK点(95メートル)よりもはるか手前で着地。飛型点も伸びず、2ケタ順位の10位に会場からはどよめきが起こった。2本目は最長不倒の95メートルで5位まで追い上げたが、1本目の出遅れが響いた形となった。「1本目は厳しかったけど、仕方ない。そういうことは誰にもあること。自分も風に助けられることがあるので。仕方ない」と、サバサバした表情で振り返った。
50勝に王手を懸けてから3試合、2、4、5位と産みの苦しみが続いている。高梨が3戦連続V逸したのは、15年1~2月の6戦連続以来2年ぶり、2試合続けて表彰台を逃したのは13年2月以来、4年ぶりだ。ただ、負けがクローズアップされるのも、“絶対女王”の宿命。21日には蔵王大会の2日目。「たくさんの人に期待してもらってるし、50勝は日本で取りたい。自分のできる限りを尽くして、そこ(50勝)を目指していきたい」と、力を込めた。日本開催4連戦で、優勝なしでは終われない。