御所実2大会ぶり4強 南&牧山“ダブル・ハーフ”で導いた

 「全国高校ラグビー・準々決勝、御所実43-7石見智翠館」(3日、花園ラグビー場)

 準々決勝4試合が行われ、悲願の初優勝を目指すAシードの御所実(奈良)はBシードの石見智翠館(島根)を43-7で下し、準優勝した第94回大会以来2大会ぶりの準決勝に進出した。2トライを挙げたWTB南昴伸(3年)がSHも務め、SH牧山巧樹(3年)との“ダブル・ハーフ”で相手を翻弄(ほんろう)した。5日の準決勝では高校3冠を狙う東福岡と対戦する。

 御所実の小さな背番号11が、聖地の芝でまばゆい輝きを放った。165センチのWTB南が2トライ1PGに加え、6本中5本のキックを成功。一人で23得点を稼ぎ出し、4強進出の原動力となった。

 先制トライは前半5分。ハーフウエー付近から形成されたモールは徐々に人数が増し、ついには11人に膨れ上がった。ゴール前5メートルまで押し込むと、最後は南が左へ鋭く回り込んだ。後半21分にもゴール前のラックから間隙(かんげき)を縫ってゴールポスト左へ飛び込んだ南は「FWを信じて両サイドが空くのを待っていた」と信頼関係を強調した。

 小学時代は野球でセカンドを守っていたが、愛知・北陵中の入学時に体験入部したラグビー部で「自分のスピードを生かせる」と楕円(だえん)球に魅せられ、さらに「御所実なら体が小さくても使ってもらえる」と高校進学と同時に越境も決断した。

 登録ポジションはWTBながら、局面に応じてSHも務める。新チーム結成から導入されたというSH牧山との“ダブル・ハーフ”は、月5回アドバイザーとして同校を訪れU-17、18日本代表コーチも務める二ノ丸友幸氏(37)が竹田監督とともに熟成させてきた策。南の潜在能力を最大限に引き出した。

 準決勝(5日)は高校3冠を狙う東福岡と対戦する。前々回大会の決勝では57失点を喫して初優勝の夢を断たれた。主将のSO北村将(3年)は「忘れ物を取りに、この舞台に帰ってきた」と雪辱を期す。絶対王者に借りを返す時が訪れた。

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