小平 開幕から無傷3連勝 「実力通りのレースができた」納得の表情
「スピードスケート・W杯」(20日、エムウェーブ)
女子500メートルで日本のエース小平奈緒(30)=相沢病院=が自身の持つ国内最高記録に並ぶ37秒75でW杯開幕3連勝を飾った。前日の1000メートルで3位だった高木美帆(22)=日体大=は、1500メートルで5位、18年平昌五輪から正式種目となるマススタートでは10位。
毛を逆立てた猫のような気合の表情から、号砲と同時に一気にリンクを疾走した。500メートルで開幕から無傷の3連勝。レース後、右拳を2回突き上げた小平は「まだ納得いかないところはあるけど、実力通りのレースができた」と、納得の表情でうなずいた。
メダルなしに終わったソチ五輪後、2年間、オランダで武者修行し、今季から再び長野を拠点とした。スケート大国で学んだのは技術や練習法だけでなく、精神のコントロールの仕方。レース前には「怒った猫のようになれ!」と教えられた。「演技しないと自分はこんな顔なので」。幼く見られがちな顔をレース前だけは闘争心あふれる表情に変え、現地でのニックネームはそのまま「boze kat(オランダ語で怒った猫)」になった。
無敵の快進撃にも「重圧はない。まだまだ課題があるので」と、足元をしっかりと見つめる30歳。悲願の個人メダルを狙う18年平昌五輪に向け、まっしぐらに突き進む。