紀平梨花3回転半成功 14歳が女子史上7人目快挙で逆転V
「フィギュアスケート・ジュニアGP・スロベニア大会」(24日、リュブリャナ)
女子フリーで14歳の紀平梨花(関大KFSC)がトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)に成功した。世界スケート連盟(ISU)公認試合で女子史上7人目、日本人では4人目。今季シリーズ初参戦の紀平はフリートップの128・31点を出し、自己ベストの194・24点で逆転優勝。12月のジュニアGPファイナル進出を決めた。昨季世界ジュニア女王の本田真凜(15)=関大中=はフリー2位の120・96点、合計178・75点で2位となった。
氷上をなめらかに滑ってフワリと跳ぶ。豪快な伊藤みどり、躍動感あふれる浅田真央。誰とも違う可憐(かれん)さで、紀平が大技を決めた。純白にブルーの衣装に身を包み、フリー曲「ラプソディ・イン・ブルー」の冒頭でトリプルアクセルに成功。「練習から確率が上がっていた。思い切って踏み切れた」。高速回転で回りきり軽やかに着氷した。逆転優勝に「すごいうれしい」と声を弾ませた。
ISU公認試合ではトーニャ・ハーディング(米国)ら7人目、日本人では伊藤、中野友加里、浅田に続く4人目の成功となる。しかも、6種類8つの3回転ジャンプを成功させた女子は、ISU公認試合で世界初。すべてのジャンプで、出来栄えに加点が付く精度の高さだった。
指導する浜田美栄コーチは紀平の第一印象を「ジャンプへの恐怖心がなく、勇気があった」と振り返る。「体にバネがある」という高い運動能力にジャンプのセンス、思い切りの良さが融合した。
練習では3回転トーループとの連続ジャンプにも成功している。中学2年生の描く未来像は「ミスなく、トリプルアクセルをたくさん決められる選手」。年齢規定で平昌五輪へは出場できないが、希代のジャンパーの勢いは止まらない。