ボルトを待ちわびて 「リオdeいいね!」

 通路を少しずつ進みながら、取材を受け続けるボルト選手(共同)
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 オリンピックの注目競技である陸上男子100メートル。決勝終了後1時間半たっても、選手のインタビューゾーンに百数十人の記者たちが残っています。待つ相手はただ一人。世界最速の男、ウサイン・ボルト選手です。

 リオが最後のオリンピックと明言し、同種目で史上初となる3連覇を果たした彼が何を語るのか聞きたい。そんな記者魂と、とにかくボルトが見たい!という野次馬根性で満ちたブースは、午前0時ごろ196センチの「超人」が姿を見せると、スターの撮影会と化しました。

 選手用の長い通路に沿って10社前後のグループを作り待ち受けるメディアの質問に、一つずつ答えるボルト選手。1グループあたり数分かかり、次のグループは数メートル先に待ち構えていますから、このゾーンだけは世界最速の男の歩みは全てのオリンピック出場選手の中で最も遅いでしょう。その間、他のメディアの記者はスマートフォンで撮ったボルト選手の写真をチャットアプリで送ったり、彼が写り込むように自撮りしたり、とにかく一緒の空間にいたという事実を記録するのに余念がありません。

 私が待つ場所には、ライターが30人近く詰めかけていたでしょうか。インタビューのタイミングになると、後ろから人が押し寄せてきました。マイクを手にしたボルト選手は慣れた表情で、時に笑いを交えながら記者の質問に答えます。観客だけでなくメディアへのサービスも忘れない姿に、非常に高いプロ意識を感じました。

 その後の記者会見で、記者からこんな質問がありました。「たくさんの人びと、特に子どもがあなたに励まされています。どうすればあなたのようになれるのでしょう?」。

 ボルトはこう答えています。

 「要は決断力なんだ。目標に向かって努力できれば、夢はかなうよ」

(リオデジャネイロ共同=飯塚麻代)

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