伊調、完全無欠V10 リオへ死角なし

 「レスリング・世界選手権」(10日、ラスベガス)

 男女の計5階級が行われ、女子58キロ級で伊調馨(31)=ALSOK=が10度目の優勝を果たした。12月の全日本選手権に出場すればリオデジャネイロ五輪の代表に決まる。決勝はペトラマーリト・オッリ(フィンランド)にテクニカルフォールで快勝。初戦から決勝までの5試合、相手に1ポイントも与えない完全優勝だった。リオでの五輪4連覇へ死角は見当たらない。

 伊調が圧倒的な強さで10度目の頂点に立った。ほっとした笑顔の一方で、自己採点は厳しい。「25点。相手に合わせてしまい、自分のレスリングができなかった。悔しい」と反省の弁を並べた。

 5試合全てをフォールとテクニカルフォールで勝ち、相手には1ポイントすら与えなかった。準々決勝は対抗馬と目されたサスティン(ハンガリー)を10-0で一蹴。相手に「(自分は)実験台の人形のようだった」と言わせた。

 オッリ(フィンランド)との決勝は、豪快な両脚タックルで4点を奪うなどして圧勝。そのタックルにしても納得しなかった。狙っていたのは、組み手と連係した素早い片脚タックル。相手の厳しい組み手に封じられ、苦し紛れで大技に頼った。「無意識で出てしまった」。それが許せなかった。

 北京五輪で2連覇を達成し「夢はかなえた」と一時は引退も考えた。休養を経て復帰すると、この6年ほどは男子との練習を中心にして「理詰めでやるレスリングの本当の楽しさを知った。極めたい」と語る。技術、体力面で女子と異なる世界に触れ、新たな情熱が芽生えた。

 以前は鉄壁の防御と勝負どころの的確な攻撃が特長だった。男子との練習を通じて積極的に攻めるスタイルを意識し始め、ロンドン五輪では3連覇を果たした。アテネ五輪銅メダリストで、伊調を指導する田南部力氏は、「勝ちたいというよりも、レスリングを極めたいという思いを強く感じる」と、進化し続ける教え子を求道者に例える。

 31歳となり、けがも増えた。昨年末に右膝、今大会直前には右肩を痛めた。4連覇の懸かるリオデジャネイロ五輪に向けても「勝ちを意識しなければいけないが、レスリングを追求する姿勢は見失いたくない」とぶれない。目指す先は、別次元にある。

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