沙羅Vも総合優勝逃す「悔しさばねに」
「ノルディックスキーW杯ジャンプ女子」(13日、オスロ)
高梨沙羅(18)=クラレ=が128メートル、127メートルを飛び、2回とも1位の合計263・8点で優勝、4連勝で今季6勝目を挙げ、通算30勝とした。今季13戦の獲得ポイントで争う個人総合順位は973点の2位で、3連覇を逃した。
5位に入ったダニエラ・イラシュコ(31)=オーストリア=が1007点で初の個人総合優勝を果たした。世界選手権銀メダルの伊藤有希(20)=土屋ホーム=は7位で、個人総合は5位となった。
好不調の差が大きかった高梨の歯車が最後にかみ合った。2回ともトップの得点をマークして快勝し「いいジャンプをそろえられて良かった。試合で合わせられたのは運が良かった」と素直に喜んだ。
今季は1月下旬に「迷走中」と漏らすほどの不振に陥った。世界選手権も4位に終わった。それでも映像を繰り返し確認し、自分の飛躍と向き合ってきた。W杯終盤戦の4連勝は今後につながるはずだ。「失敗の中でたくさん学び、内容の濃いシーズンになった。精神的に成長させられた」と収穫を強調した。
イラシュコが手にした総合優勝のトロフィーをうらやましそうに見詰め「この悔しさをばねに来季はクリスタルトロフィーが取れるように頑張りたい」と巻き返しを誓った。

