重友復活3位 日本勢で最速タイム
「大阪国際女子マラソン」(25日、ヤンマースタジアム長居発着)
ロンドン五輪代表の重友梨佐(27)=天満屋=が2時間26分39秒で日本勢トップの3位に入り、世界選手権(8月、北京)代表入りへ前進した。タチアナ・ガメラ(31)=ウクライナ=が自己ベストの2時間22分9秒で優勝。98~2000年のリディア・シモン(ルーマニア)以来2人目の3連覇を達成。新設された期待の若手が対象の「ネクストヒロイン」枠で出場した初マラソンの城戸智恵子(24)=キヤノンAC九州=が2時間29分8秒の5位と健闘した。
両手を広げてゴールテープを切った顔は、吹っ切れたようなすがすがしさにあふれていた。笑顔の重友がやっと帰ってきた。
5キロ過ぎ、ガメラが前に出たが「よく体が動いた。序盤でもいっていいかな」とついていった。折り返しでかわされたものの、心は折れなかった。
3年前に優勝し、ロンドン五輪代表を決めたものの、夢舞台は79位と撃沈。「マラソンを走るのが怖い時期もあった」と、復調は遠かった。手応えを感じながら挑んだ昨年の大阪は、脱水症状で64位。レース後半は「去年走れなかったことがよぎった」という。
しかし、「振り払うために出るレース」だった。追う背中は徐々に遠のいても「また見えるかもしれないって、前向きな気持ちで走ることができた」。失速が続いていたレース後半、力強く腕を振り続けた。
日本人最高の3位。世界選手権の代表選考レースで、日本勢では最速タイムも記録した。「いいアピールになったら」。日本陸連の尾縣専務理事は「復活のきっかけをつくれた。日本の大黒柱に」と期待を寄せた。
「殻を破れた」と重友。光が見えた42・195キロだった。





