観音寺中央・石川7年後の壁跳び越える

 “棒高跳び王国”香川の期待の星だ。観音寺中央高3年の石川明斗(みんと)。7月の記録会で今季高校ランク1位タイの5メートル10をマーク。インターハイでも4位(5メートル00)に入るなど好成績を残している。目指すは2020年東京五輪出場。7年後の高い目標に向けて、厳しいトレーニングを続ける。

 越えるべき壁が高いほど燃える。2020年東京。脳裏に浮かぶ新・国立競技場の大観衆と、見上げた先に横たわるバー。「東京に決まったときはうれしかった。そこを目指して練習に取り組んでいます」。石川はきっぱりと目標を口にした。

 7月の香川陸協記録会で、今季高校ランク1位タイで自己ベストの5メートル10を跳んだ。気分良く迎えたインターハイは5メートル00で4位。優勝には届かず悔しさも残ったが、「前に走ってきた力を上に変えられるように、体重移動を改善したい」と、大会後は黙々と課題克服に励んでいる。

 身長169センチと小柄な体。棒高跳びでは背が高い方が有利だが、84年ロサンゼルス五輪に出場した同校陸上部の高橋卓巳顧問は「背の低さを補うだけのスピードと技術的センスがある」と指摘した。

 昨年10月に腰椎分離症を発症した。冬の間は痛みで跳ぶことができなかったが、その間に体幹を鍛え、股関節などの柔軟性を向上させるトレーニングに取り組んだ。今年6月に復帰すると「踏み切りが強くなっていた」と石川。以前より硬いポールを使うことができるようになり、7月の自己ベスト更新につながった。

 観音寺中央高と観音寺一高。すぐ隣にある両校から、全国トップクラスの選手が数多く生まれてきた。小学校で短距離選手だった石川も「棒高の選手が跳んでいるのがかっこよかった」と、中学に入るとポールを持ち、跳び始めた。

 石川が通った大野原中の先輩に、今夏の世界陸上日本代表の荻田大樹(観音寺一高‐関学大‐ミズノ)がいる。今は5メートル70を跳ぶ荻田も、高校3年の秋は5メートル00がベストだった。いつか追いつき、追い越したい目標の存在。卒業後は荻田と同じ関学大に進む予定だ。

 高橋顧問は「温厚で感情を表に出さないが、内に秘めた闘志は熱いものがある。意欲は高い選手」と“秘蔵っ子”の未来に期待する。7年後を見据え「練習でも1本1本、試合をイメージして跳ぶことが大事。もっと力をつけたい」と石川。道は険しくても可能性を信じ、さらなる高みを目指す。

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス