猪瀬知事「決まったよ」妻の四十九日に

 国際オリンピック委員会(IOC)は7日、ブエノスアイレスで総会を開き、2020年夏季五輪の開催都市に東京を選んだ。IOC委員の投票でイスタンブール、マドリードを大差で破り、1964年の第18回大会以来となる開催を決めた。

 東京開催が発表されると、遺影が入った胸のペンダントを右手で握りしめた。猪瀬直樹都知事(66)は7月、妻ゆり子さん(65)を病で失った。

 信州大在学中に知り合い、47年間一緒だった。5月末、招致活動のため夫婦でロシア・サンクトペテルブルクに向かう2日前、荷造りしたゆり子さんが突然足元をふらつかせ「めまいがする」と打ち明けた。診察の結果は「悪性脳腫瘍で余命数カ月」だった。

 7月初旬、ローザンヌでのプレゼンに出発する前日に危篤状態に。レマン湖のほとりで何度も「この風景を妻に見せてやりたかった」と独り言をつぶやいていたという。

 亡くなったのは7月21日。霊前にどう報告するか問われると「もう伝わっている。気持ちはいまも妻と一緒だから」と声を詰まらせた。招致が決まった9月7日は、ゆり子さんの四十九日だった。

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