桐生、予選落ちも“世界”へ手応え

 「世界陸上・男子100M」(10日、モスクワ)

 男子100メートル予選で桐生祥秀(17)=京都・洛南高=は10秒31の2組4着で準決勝に進めなかった。山県亮太(21)=慶大=も10秒21の7組4着で落選。その後、左太もも裏の肉離れが判明し、400メートルリレーには出場しないことになった。世界記録保持者のウサイン・ボルト(26)=ジャマイカ=は10秒07の7組1着で準決勝に進出した。男子のハンマー投げ予選で前回王者、室伏広治(38)=ミズノ=は76メートル27をマークし、全体8番目の記録で12選手による12日の決勝に進んだ。

 爆発的な加速で食い下がった。17歳の桐生は世界歴代5位の9秒78を持つカーター(ジャマイカ)に続き、中盤まで2番手争い。ゴール直前で4番手に落ち、予選通過は逃したものの「スタートから60メートルぐらいまではいい感じだった」と今後への手応えを感じ取った。

 スタートから15歩までをカウントして前傾を保つのを理想とするが、6月の初めての海外遠征では舞い上がって数え忘れた。上体が早く起きて加速しきれず、10秒55で惨敗。「今回は10以上をしっかりと数えた」と苦い経験を生かした。

 準決勝へ進める3着との差はわずか0秒01。9秒台の記録を持つ2選手との同走で「速いのは分かっていた。見ないようにしていた」と意識を遠ざけたが、終盤に右端のカナダ選手が視界に入り「早くゴールがしたかった」と硬くなった。「自分の力不足と経験不足」と世界との差は率直に受け止めた。

 4月に日本歴代2位の10秒01を出した。注目度がはね上がった中でレースを重ねた経験は大きな糧となるはずだ。「年齢を重ねるうちに強くなる。タイム的にもまだまだいける」と先を見据えた。

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