関東学院大ラグビー部員大麻栽培で逮捕

 関東学院大ラグビー部員2人が8日に大麻取締法違反で現行犯逮捕されたことを受け、春口広・同部監督が9日夜、横浜市内で会見し、来年3月までの公式戦出場自粛、自らの3カ月間のラグビー指導自粛、両容疑者の同日付での退部を発表した。同日午前の会見では今後の公式戦出場の意向を表明したものの、関東ラグビー協会に試合自粛を求められ、一転して受け入れざるを得なくなった。関東学院大はリーグ戦グループで3年連続11度目の優勝が事実上決まっていたが、残る最終戦を棄権し、優勝が決定しても返上。大学選手権2連覇は消滅した。

 まさに朝令暮改だった。午前の会見内容とは一転して来年3月までの公式戦出場自粛を決めた春口監督は、夜の会見で「(関東協会から)過去にこんな事例があると言われた。大学として受け止め、ラグビーを愛する人々を失望させたという事実を持ち帰り、決定事項として報告します」と沈痛な表情で話した。

 午前中、春口監督は「ラグビーを愛する者として恥ずかしい」と涙を浮かべ、直立不動の姿勢での約1時間の会見をこなした。同監督は大学側に進退伺を提出したが「100人を超える部員を路頭に迷わせないでほしい」と慰留されたため、グラウンドでは指揮を執らないものの、監督として今後も寮の運営にあたると発表。チームは残りのリーグ戦、大学選手権、日本選手権に出場する意向を示し、幕引きを図る予定だった。

 だが、テレビ中継された会見の模様に対し、関東学院大を管轄する関東ラグビー協会へ抗議電話やメールが殺到。事態を重くみた同協会の志賀英一会長が、報告に訪れた春口監督に「来年3月いっぱいまでの公式戦を自粛するのが常識的な判断」と再検討を要請。同監督が大学側と再協議し、選手には「監督として申し訳ない。試合を目的にしないラグビーをしよう、真摯(しんし)に受け止めよう」と通達した上、変更を発表した。

 早大と並ぶ大学ラグビーの雄は判断の甘さゆえに、自ら厳しい状況に追い込まれた。関東協会の水谷真理事長は「これは協会だけの問題ではない。日本のラグビー界にとってすごい痛手だ」と唇をかんだ。志賀会長は「規律委員会で調査しながら、指導をしていきたい」と事態を深刻に受け止めた。

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