侍・佐々木朗希「ありがとうって感じです」 死球のおわびにお菓子、チェコ側反応に

 「カーネクスト 2023 WBC準々決勝ラウンド 東京プール、日本代表-イタリア代表」(16日、東京ドーム)

 公称192センチの長身を、これでもかと縮めて恐縮した。クスッと照れ笑いを見せる表情に、マウンドで165キロを投げる佐々木朗希投手(21)の迫力はない。「チェコの人たちがいい人たちだっただけで…」。いつしか美談となった登板後の謝罪。スポーツが国境を超えた瞬間だ。

 先発した11日のチェコ戦。佐々木朗の162キロがエスカルの右膝に直撃した。野球では起こり得るワンシーン。すぐに起き上がってダッシュする姿に、日本のファンからも大きな拍手が起こった。その場でも謝罪した右腕は、試合のなかった13日に宿舎を訪問。お菓子を届け、謝罪した。

 「受け入れてくれたので。許してくれて、ありがとうって感じです。いい人たちだからですかね、そういうふうに思ったからです」

 チェコ代表のハジム監督も言った。「今、戦争の悲劇があるが、こんな素晴らしいこともあると伝えたい」。くしくもこの言葉は大会前、栗山監督が夢見た姿だ。「野球にできることがある。子供の時に一緒に遊んだ人と、戦争をする気なんて絶対に起こらない」。162キロの死球が生んだ絆。野球やろうぜ-そんな声が聞こえる。

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