高知・加藤 5・9意地の完封勝利!前期優勝へ起爆剤になる

 【高知・加藤佳樹投手】文=高田博史

 リーグ全体で見れば今季2人目、加藤佳樹にとっては自身初となる完封勝利を手にした。5月9日、対愛媛前期4回戦でのことだ。愛媛の得点源である2人の外国人に、仕事らしい仕事をさせなかった。

 初勝利を挙げた前回の対香川前期5回戦(3日、レクザム)に続き、2連勝である。この対香川戦で1つのヒントをつかんでいた。

 吉田豊彦コーチ(元南海ほか)から、よく「もっと気持ちを込めろ!」と言われる。だが、抑えなきゃ!と気持ちを込め過ぎて、冷静になれなくなることがあった。人の集中力なんて、そんなに長くはもたない。プレートを踏んだ瞬間にスイッチを入れればいいやと、開き直った。

 「それまではボールのマークを見て、周りを見て。レクザムスタジアムって周りが山じゃないですか。ああ、きれいだなって視野を遠くしたり近くしたり、いい意味で分散させて。プレートを踏んでから『よしっ!』みたいなスイッチのオン・オフをするというか」

 リラックスした状態で、まず自分のやるべきことを確認する。そこから一気に闘争心に火を入れる。心のコントロールがうまくでき始めた。

 悔しい経験もある。2度目の登板となった対香川前期2回戦(4月20日、高知)に敗れたあと、駒田徳広監督(元巨人ほか)から「いま、勝ってるピッチャーが丸山と岡部しかいない。申し訳ないけど、ほかは“谷”だ!」と言われた。

 「意地でも自分が勝たないと、と思って。起爆剤になったかなとは思います」

 完封勝利した翌日、ツイッター上でヒーローインタビューの写真と共に、こんな言葉をツイートしている。

 「いま大事な山場の麓らへんです。これからまだまだ応援よろしくお願いします」

 前期優勝争いのことだ。麓よりも、もっと高い位置にいるのでは?

 「やっぱ、天王山はまだかなと。この3連戦(9~11日)と来週を頑張ってっていう感じだなと思って」

 その3連戦にすべて勝利し、高知は5連勝と星を伸ばした。香川の尻尾が目の前にある。

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