香川・岡村「今年は首位打者」 チームの伝統守り数字を残す

 【香川・岡村瑞希内野手】文=高田博史

 ここまで21試合を終え、岡村瑞希の打った安打数31本は、リーグ最多の数字である(5日現在)。

 開幕戦の複数安打以降、出塁しなかった試合は1試合だけ。打っては1番、3番として。守っては内野も外野もこなすユーティリティープレーヤーとして。さらに足という大きな武器もある。

 入団当初から、持っている野球センスの良さを高く評価されていた選手だ。だが、最初の2年間はケガに悩まされ続けた。

 周囲に「変わったな」と感じさせたのは昨年、全65試合中62試合に出場し、盗塁王を獲得した。狙って獲ったタイトルだった。

 「獲るなら盗塁王しかないなと思ってたので。数字的には(22盗塁)全然、納得してないですけど……。今年は首位打者とかそっちを。打撃面でちょっと成長したっていうのを数字で残せたらと思ってやってます」

 西田真二監督(元広島)からは「技術はある。そこはスカウトも認めているから。あとはパワーや」と言われている。

 開幕2週間前、球団主催で番記者と選手との懇親会があった。会の締めを任され、堂々とあいさつしてみせたことに、周りが驚きの声を上げる。前もって文章を作り、練習してきていた。

 「今年4年目になって、下の選手も入って来ましたし。逆にお手本にならなきゃいけないと思ってて」

 副主将に選ばれたことには「お前が中心となって引っ張れ」という意味も込められていると考えている。

 自分自身、変わったな、成長したなと思う実感はある?と尋ねてみた。

 「どうですかね。変わらなきゃいけないなと思ってやってるんですけど。そこは周りが評価するものなので。数字だけでも成長したなと思えるようにしたい」

 かつて、大木貴将(ロッテ)や松沢裕介(巨人育成)らがコツコツと取り組んでいる様子を、尊敬のまなざしで見つめていた。足が痛くても数字を残し続ける大木や、試合を休まない松沢の姿が、いまも記憶の片隅に強く残っているという。

 2人のような強い選手になりたい。ガイナーズの伝統が、つながっている。

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