来季、再び四国でプレーするマニーの姿を見られるのか…

 【高知・マニー・ラミレス外野手】文=高田博史

 第一報が報じられたのは昨年、12月2日のことだった。メジャーのスーパースター、マニー・ラミレス(元レッドソックスほか)が、高知入団に向けて契約交渉を進めているという。

 年が明け、交渉は成立する。成田空港にマニーが降り立ったのは、最初の報道から3カ月後、3月7日のことだった。

 2日後に入団会見が行われている。報道陣が大勢詰め掛けるなか、ジュリアナ夫人を伴い、ジャケット姿で会場に現れた。

 「まず、チームに感謝したい。日本でプレーすることは、私の夢の一つでした。神様のおかげもあり、こうして日本に来ることができた。家族全員、とてもうれしく思っています」

 目標は、ほかのアイランドリーガーたちと同じNPB入りだ。練習を続けながら興味を持った球団と交渉したいという。高知は全力でのサポートを約束した。

 マイペースを貫きながらも、真剣に野球に取り組む姿はチームメートたちに刺激を与えている。高知の選手だけに限らず、同じドミニカ共和国出身であるポロ(元愛媛)や、スペイン語ができるクリス(香川)らと、気さくに技術論について意見を交わしていた。

 また、スタッフを驚かせたのは信仰心のあつさである。試合前、球場を訪れた友人と、聖書の一節について真剣に語り合っている。そんな姿が何度も見られた。

 一時、ケガでの離脱もあったが、前期を終えての成績は打率・460、5月だけで3本塁打を放っている。出塁率・527、長打率は・698というずば抜けたものだった。

 「チャンスを与えてくれたファイティングドッグスにすごく感謝しています。これから私自身がチームに対して、何か助けられることがあるんじゃないかと考えています」

 前期最終戦終了後、そんな感想を述べていた。後期も契約を延長したが右ひざのケガにより、たった5試合の出場でチームを離脱、8月途中に帰国している。

 来季、再び四国でプレーするマニーの姿を見られるのか。それとも、今シーズン限りの特別な時間となってしまうのか……。(スポーツライター・高田博史)

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