大阪桐蔭「声出し」対戦校から怒られた…

明治神宮大会・高校の部は24日、大阪桐蔭の史上初となる連覇で幕を閉じた。王者の強さが目立つ一方、話題となったのはクラークとの2回戦。ベンチでの「声出し」だった。

公開日:2022.11.24

クラーク・佐々木監督「いつまで声を出しているんだよ」

大阪桐蔭攻撃中に怒声 クラーク・佐々木監督が声出しに抗議「いつまで声を出しているんだよ」

 クラーク(北海道)の佐々木啓司監督(66)が、試合中の相手ベンチの声出しについて言及した。「ピッチャーが投げようとしているのに、『ワーワー』いっているのは野球じゃない。何でも言えるもん。(大阪)桐蔭さんみたいなチームは紳士的にやらないとダメだっていうことだよ」と話した。
 場面は大阪桐蔭が攻撃する二回だ。佐々木監督が三塁側ベンチへ向けて「いつまで声を出しているんだよ。ピッチャーが投げているのに」と声を荒らげて指摘。その後、大阪桐蔭ナインは投球動作に入った際は声を出すのを控えた。

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西谷監督「やめようと言いました」

何が問題?【解説】大阪桐蔭監督も困惑「やめようと言いました」声出し指摘は大学野球でも

 大阪桐蔭が試合中に敵将から異例の指摘を受けた。
 試合後、西谷監督は「僕の認識では『逃げた』とか何かを誘発することは言ったらだめだと思っていたんですけど。新チームで一生懸命声を出しているだけだったので」と困惑。ただ、「セットに入ったらしゃべるのをやめようと言いました」とすぐに指摘を受け入れ、投球動作に入った際は声を出すのを控えたことを明かした。

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大学球界でも類似ケース

法大-早大で法大・青木監督が審判団に確認求める

 青木監督は試合後、投球モーション時に三塁コーチャーの方向から「タイム」という声が聞こえたとナインからアピールがあったことを明かした。審判団からはそういうものは聞こえなかったと判断されたという。「ピッチャーがセットに入って投球動作に入るときにはベースコーチというのは基本、声を出してはいけないというマナーがあるものじゃないですか。そういうのはどうなんですかね、と。確認ですね」と状況を振り返った。

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明確なルールはなし

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 声出しについてルール上の明確な規定はないが、過去には相手のサインを盗んで声の種類で伝達を行っていたこともあった。公認野球規則6・04では競技中のプレーヤーの禁止事項として「(1)言葉、サインを用いて、観衆を騒ぎたたせるようにあおったり、あろうとすること。(3)ボールインプレイのときに“タイム”と叫ぶか、他の言葉または動作で投手にボークを行わせようと企てること」などが、記されている。

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コロナ禍でスタンドの声援がなくなり、観客にもベンチ内からの「声出し」が聞こえるようになっている現状。高校球児らしいハツラツとした声も魅力ですが、フェアプレーの観点から一定の“マナー”は必要な気もします。今後も考えさせられるシーンでした。