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阪神ロサリオを悩ませる古巣助っ人の大活躍 仮に韓国復帰でも大減俸待ったなし!?

2軍での調整が続くロサリオ
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 阪神のロサリオ内野手にとって、あるいは聞き捨てならないニュースかどうか…。9月11日、韓国のKBO(韓国野球委員会)が定例の理事会を開き、いくつかの議案を検討した。その中に「新規外国人選手の年俸上限を定める」というものがあった。これまで無条件だった契約金、年俸やオプションの総額を100万ドルに制限するというものだ。

 かつて、彼の国のリーグでは以前にも上限を設定していた時期があった。外国人選手制度を導入した1998年(それまで外国人選手はいなかった)、年俸の上限は12万ドルだった。当時は親会社に資金力ある球団とそうでない球団の格差が激しく、自由な契約では戦力の不均衡をもたらす-つまり金持ち球団はメジャークラスの選手を呼び、そうでない球団はマイナーしか呼べない…それでは外国人選手導入の意味がないという判断から決まったことだった。

 とはいえ、自分たちで決めたルールを自分たちで破るのは、なにも日本のプロだけではない。「公称は12万ドルだが、実際はその数倍」といったうわさは現場では瞬く間に拡散する。間違いならいざ知らず、本当だったら始末に負えない。こちらが問うても球団幹部が苦笑しつつ否定はしない、ということも珍しくなかった。そのため、後に上限30万ドルまで引き上げられたが、「本当は100ドルもらっているらしい」など、変わりはしなかった。

 球団側も好きで高い金を払っているわけではなかった。当初はマイナーやドミニカなどから実績のない選手を連れてきても戦力になったが、球界自体のレベルが上がることで、必然的に求める選手のレベルも上がっていく。多少なりともメジャー経験者でなくては通用しない。そんな選手を30万ドルで連れてこられるはずもなかった。やがては日本(NPB)が獲得する選手と競合するケースも目立ち始め、選手サイドからの「条件のつりあげ」も横行し始めた。日本の球団が「韓国の方が提示額が高く、持って行かれた」という声も、何度となく聞かれるようにもなった。

 あまりの有名無実化に、2014年から上限を撤廃したが、実態はさほど変わらなかった。というより、撤廃されたからといって150万ドル、200万ドルと高額選手が大量発生すれば、今度は国内選手たちが黙っていなくなる。「だから契約金、年俸の総額を80万ドルくらいで公表し、実際はオプションを厚くして目立たないように工夫する。公表額と実際の額の差は、今でもかなりあります」とは、某韓国球団の関係者だ。だから今回の100万ドル上限再設定は、いわばコミッショナー側からのイエローカードといったところだろうか。

 「とはいえルールはルールです。実際の金額とコミッショナーに報告する額が大きく違い、もしそれが明るみに出ればペナルティーを食らう。実際、そうした事例もありました。ですから一定のブレーキとしての効果はあるはずです」(同関係者)

 ただしこの新規定は、かつて韓国でプレーして日本など海外チームに移籍した選手の場合、条件付きで適用されない。それは旧所属球団が保有権を持ったまま退団した場合だ。ロサリオに当てはめると、昨季までプレーしたハンファは当然、引き留めていたから保有権は残る。その場合、ハンファに戻るなら適用はされない。

 ところがここで問題が生じる。ハンファでは今季、ロサリオの代わりに獲得したジャレッド・ホイングという外野手が大活躍なのだ。打率は3割を大きく上回り、すでに100打点をクリア。30本塁打も目前に迫る。韓国の外国人枠は3人で、投手2、野手1がセオリー。このためホイングをリリースしなければロサリオ復帰とはならないのだが、韓国球界の関係者らの見立てでは、現実的ではないという。とはいえハンファが保有権を放棄し、他球団に行かせてくれるとも思えない。

 ならば阪神残留か。ロサリオの場合は、球団側が2年目に関しての選択権を持つバイアウト契約だと言われている。今後のアピールで来季残留を勝ち取って日本球界に再トライ、仮にダメだったときに韓国球界を考える…そうなれば、保有権の有効期限は2年だから、来オフなら他球団と自由に交渉できる。しかしその場合は、前述の新規定が適用され、100万ドルという上限を受け入れなければならない。

 他人の稼ぐ金の話など、まったくもって大きなお世話だ(苦笑)。それでも各国を渡り歩く選手にとっては、きわめて現実的な話。まあロサリオにしてみれば、来季、阪神に残ってリベンジすれば良いだけのことなのだが…。(スポーツライター・木村公一)

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