甲子園というステータスに交錯する思い…だから大学野球は面白い

 5月初旬のことなんですが、京都のわかさスタジアムで関西六大学野球の龍谷大と京産大の「龍産戦」がありました。今年で龍谷大学が創立380周年になるのですが、その記念と言いますか、僕は龍谷大のOBなので、卒業生代表ということでテレビの実況の副音声に呼んで頂きました。

 イメージとして、甲子園で活躍した選手はプロとか東京六大学にいく…というのがある中で、有名な甲子園組はいないかなと龍谷大のメンバーを見ていたんです。そこで、セカンドのスタメンに智弁和歌山出身の滝本怜一君を見つけました。

 思い出したのが、15年の夏の甲子園です。智弁和歌山が1回戦の津商戦で7つエラーをして4-9で負けた試合があって。そこで滝本君は2つエラーをしていたんですよ。それを思い出しながら試合を見ていまして、普通にミスなく守備をこなす姿を見て、僕が言うのもあれですけど成長してるなと(笑)。

 滝本君の打席の時には智弁和歌山の応援で有名な「ジョックロック」も流れてましたが、その応援の中で学校名のところを「智弁!」とか言うんですけど、そこは龍大やろ、とか思いながら聞いてました。あとは、キャッチャーの石田航大君は智弁学園出身で、16年の春のセンバツで優勝した時に2年生で控えの選手やったり。

 そうやって、甲子園で優勝した選手とかも、うちの後輩としてがんばってるというのがうれしくて。その一方で、4日に先発した3回生の波多野俊樹君は京都の日星高校出身で、同じ3回生で注目されているピッチャーの上谷和大君は今治北出身と、甲子園で注目されたわけではない選手もいたりして。

 その副音声の実況中には、スタッフがスタンドにいたOBを呼びに行ってくれました。その流れで、14年に龍谷大平安が春のセンバツで優勝した時のピッチャーの中田竜次君と、その年の夏に大阪桐蔭で全国優勝した時の菅根直之近君の2人が来てくれたんです。

 そこで、春と夏でそれぞれ優勝した中田君や菅根君が言ってたんですが、大学に入って思ったのは、その波多野君とか上谷君とかのように、甲子園に出てなくてもすごい選手がいるんやなと。まだ見ぬ怪物と言うか、無名高の中にもすごい選手たちがいて、逆に僕らは負けたらあかんなと思ってました、と。

 龍谷大の1回生でまだベンチ入りしてないですけど、生駒高校出身の角井亮太君というショートがいて、その角井君も呼んでもらって話を聞いたんです。彼は甲子園には出てませんが、龍谷に来たら甲子園に出たことがある選手がいたりするところで「僕は絶対にそういう選手に負けたくないという気持ちでやってます」という話をしてくれまして。

 甲子園というステータスに交錯する思いというか、そういう中で、高校時代は無名の選手が大学で成長してドラフト候補になったりとか。そういう目線でも大学野球は熱くて面白いですし、これからも注目したいですね。

◆かみじょうたけし(本名・上条 剛志)1977年12月31日生まれ、41歳。兵庫県淡路市出身。中学、高校時代はソフトテニス部。龍谷大卒。お笑いコンビ「ロビンス」で活躍後、現在はピン芸人。高校野球大好き芸人として知られる。趣味・特技は競輪予想、モノマネ。

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