【夏の選手権100回大会企画6】宮城の高校野球

 宮城県勢は、東北地方の高校野球をけん引してきた。夏の甲子園での県勢通算69勝は、2位・青森の45勝を突き放して東北勢でダントツの1位。そのうちの88%にあたる61勝を、仙台育英(33勝)と東北(28勝)の2校で積み上げてきた。

 宮城県勢で初出場したのは、1923年の第9回の仙台一中(現仙台一)。その後、70年代から仙台育英と東北の“私学2強”時代に突入した。

 78年に1県1代表となって以降は、その色合いが顕著となった。40年間で83年の仙台商、88年の東陵、98年の仙台、2002年の仙台西、11年の古川工、14年の利府の6校以外は、全て東北か仙台育英が夏の甲子園に出場している。

 ただ、両校ともに春夏を通して甲子園の優勝がない。

 仙台育英は89年の第71回大会で準優勝。エース・大越基(元ダイエー)=現山口・早鞆監督=を中心に快進撃を見せた。

 準々決勝は元木大介(元巨人)らを擁する上宮を破り、準決勝では尽誠学園の宮地克彦(元ソフトバンクなど)との投げ合いを制して決勝へ進出。しかし、4連投となった決勝は、帝京に延長10回を戦った末に0-2で敗れた。

 豪腕も散った。07年の第89回は佐藤由規(ヤクルト)が、夏の甲子園で最速となる155キロを計時したが、2回戦で智弁学園に屈した。

 大会100年目となった15年の第97回大会では、エース・佐藤世那投手(オリックス)が奮投。決勝・東海大相模戦は、6回に3点差を追い付いたが、佐藤が9回に4点を奪われて屈した。

 東北は、85年の第67回大会に佐々木主浩(元横浜など)、葛西稔(元阪神)を擁して8強へ進出。準々決勝は、同大会で旋風を巻き起こした甲西の勢いに飲み込まれ、1点リードの9回に逆転サヨナラ負けを喫した。

 03年の第85回大会は、2年生のダルビッシュ有(カブス)、真壁賢守らの活躍で決勝へ進んだが、常総学院に2-4の惜敗で準優勝。ダルビッシュは、04年の第86回大会にも出場し、2試合連続完封で3回戦へ進んだが、千葉経大付に延長10回で惜敗した。

 1県1代表となって以降、2強以外で夏の甲子園で勝利を挙げたのは、83年の第65回大会の仙台商と、14年の第96回大会の利府の公立2校のみ。

 利府は1回戦で07年に全国制覇を果たした佐賀北を撃破。犠打を多用し、全員野球で宮城の公立として仙台商以来31年ぶりに勝利を挙げた。

 98年の第80回大会に出場した仙台は、宮城大会で仙台育英と東北を倒したが、1回戦でのちに準優勝する京都成章に敗れた。

 ◆宮城県勢の夏の甲子園アラカルト

【出場回数ベスト5】

1位・仙台育英26回

2位・東北22回

3位・仙台一3回

3位・仙台二3回

3位・仙台商3回

【勝利数ベスト5】

1位・仙台育英33勝

2位・東北28勝

3位・仙台商4勝

4位・仙台二3勝

5位・利府1勝

【最高成績】

準優勝・仙台育英(2回=1989、2015年)、東北(2003年)

【通算成績】

134試合

69勝65敗

勝率・515

【主な監督】

竹田利秋…東北で17回(春9回、夏8回)、仙台育英で10回(春4回、夏6回)の甲子園に出場。両校を合わせて春夏通算30勝。

若生正広…元東北監督。東北では春夏通算7回(春5回、夏2回)甲子園へ出場。2006年から九州国際大付で春夏通算4回(春1回、夏3回)の甲子園へ導いた。春夏通算16勝。現在は埼玉栄監督。

佐々木順一朗…仙台育英の前監督。春夏通算19回(春6回、夏13回)出場し、通算29勝を挙げている。

 ◆デイリー独断!宮城県の高校を卒業した選手のベストナイン

【先発】

東北・ダルビッシュ有(カブス)

【中継ぎ】東北・斉藤隆(元楽天)

【抑え】東北・佐々木主浩(元横浜)

【捕手】東北・伊藤勲(元南海)

【一塁手】仙台商・八重樫幸雄(元ヤクルト)

【二塁手】仙台育英・平沢大河(ロッテ)

【三塁手】仙台育英・渡辺勉(元阪急)

【遊撃手】柴田・小坂誠(元楽天)

【外野手】東北・嶋重宣(元西武)、東北・高井雄平(ヤクルト)、仙台育英・上林誠知(ソフトバンク)

【指名打者】白石・佐藤孝夫(元ヤクルト)

(ポジションはプロでの守備位置、所属は現役の最終所属)

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