広島・坂倉 チームトップ8本塁打&39打点 好調理由はメディシンボール 直訴して新ルーティン化

 広島・坂倉将吾捕手(28)が今季から新たなルーティンを導入している。試合開始直前に約2キロのメディシンボールを使用した複数のメニューをこなして、体に刺激を与えてプレーボールを迎える。ここまでチームトップの8本塁打&39打点をマークしている主砲の取り組みに迫った。

 「うりゃ!」という声と同時に、メディシンボールが高々と宙を舞う。試合前の緊張感漂うグラウンドで今季から繰り広げられるようになった新たな光景。坂倉は新ルーティンについて「良さそうなものをやってみて、どうかなと試している感じです」と淡々と説明した。

 今春のキャンプから本格的にチームで導入された、約2キロのメディシンボールを使ったトレーニング。いち早く目をつけたのが坂倉だった。チーム全体で行うメニューだけでなく、「試合前に個人のメニューとしてやりたい」とトレーナー陣に直訴し、現在のルーティン化に至った。

 試合前に取り入れている種目は主に4種類。片足ずつ重心を乗せながら捕球と返球を繰り返す動作から始まり、地面に強くたたきつける「下投げ」へ。さらに両手で真上へと投げ上げる「上投げ」、最後はスイングのような動作で前方へと投げる「横投げ」で最終調整を締めくくる。

 なぜ、試合直前の貴重な時間で体に高い負荷をかけるのか。大栄コンディショニングトレーナーは「試合前に100%近い出力を出しておくことが大事になります」と明かす。「試合の打席では投手の投げてくるボールに合わせていく必要があるので、全力でスイングできず、どうしても何%かは出力が落ちてしまう。試合前に全力を出しておくことで、試合中に高い出力をなるべくキープできるようにすることが狙いです」とトレーニングの効果を説明した。

 “メディシン効果”もあり、坂倉は開幕から好調をキープ。ここまで8本塁打、39打点はともにチームトップの数字をたたき出している。現在は坂倉を追って、大盛や名原も試合前に同じトレーニングを導入。この3人は真上に投げたボールの滞空時間を競うメニューにおいて、野手の中でチームトップレベルの数値をマークしており、鋭いスイングを支える一つの要因となっている。

 今季から始めた取り組みのため、坂倉自身もまだ試行錯誤中。「長く続けていって効果が出てくると思う。(現状は)悪くはない」と地に足をつけて先を見据える。「野球がうまくなりたい」という飽くなき探究心を原動力にして、さらなる進化を追い求めていく。

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