カープ小園 復活の今季初3安打猛打賞 2度の同点打!前夜失策も指揮官のゲキに応えて即リベンジ

 3回、右前へ同点適時打を放ち二塁をうかがう小園
 8回、左中間へ同点となる適時二塁打を放つ小園(撮影・立川洋一郎)
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 「阪神タイガース2-2広島東洋カープ」(29日、甲子園球場)

 広島・小園海斗内野手(23)が名誉挽回を果たした。2本の同点適時打を含む3安打2打点と躍動。今季初の猛打賞を記録し、バットでチームに勇気を与えた。前夜の首位攻防第1ラウンドでは自身の失策からチームは逆転負け。だがミスを引きずることなく、グラウンドですぐさま結果を出す姿がファンの心を揺さぶった。

 下を向いている時間などなかった。小園はチームが勝つために泥くさく、ひたむきに白球に食らいついた。敵地のファンの歓声を呼ぶ3度の快音に確かな成長を感じさせた。打ってほしい場面で期待に応えた夜。今季最長4時間56分に及んだ死闘ドローの中、今季初の猛打賞で輝きを放った。

 初回、いきなり相手先発・青柳のグラブをはじく二塁への内野安打。得点には結びつかなかったが、Hランプをともした。そして1点を追う三回に本領を発揮した。

 1死二塁で右前へ同点適時打。カウント2-2からの内角144キロ直球をはじき返し、「(先発の)森下さんが頑張っていたので、まずは同点に追い付くことができて良かった」と、ホッとした表情を浮かべた。

 4試合ぶりのマルチ安打となったが、これで終わらなかった。1点を追う八回は1死一塁の場面。代わったばかりの岩貞の初球147キロをジャストミートすると、打球は左中間をきれいに破った。

 劣勢ムードを一瞬にして吹き飛ばす値千金の適時二塁打で、スタンドの虎党にため息をつかせた。「思い切っていきました。自分のスイングができて、同点につながって良かったです」。決して受け身にならず、持ち前の積極性で最高の結果を出した。

 指揮官の言葉を体現した一日にもなった。前夜には三回に一時同点の適時三塁打。だが直後に自身の失策から逆転を許した。敗戦に直結したミスに試合後は「僕の守備から流れが悪くなってしまった。守備からリズムをつくれるようにやっていきたい」と唇をかみ、黒星の責任を背負い込んだ。

 新井監督はその試合後、「ミスは起こるので、その次が大切。取り返すチャンスはたくさんある」と発奮を促していた。そんなゲキに応えた3安打。ミスがあってもへこたれず、次なる戦いでベストを尽くす。チームが求める理想の姿を敵地のグラウンドで堂々と見せつけた。

 今季は開幕スタメンに名を連ねるも、不振で2軍降格も味わった背番号51。心身ともに力を蓄えて、タフさを示す若武者が欠かせぬ存在となる。

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