新井貴浩氏 西川を6番に置けば、相手に大きな脅威になる カープ後半戦に提言

 広島は勝率5割、セ・リーグ2位タイで球宴期間を迎えた。開幕6連勝に始まり、交流戦での失速、秋山翔吾外野手(34)の加入など山あり谷ありの前半戦を、カープOBでデイリースポーツ評論家の新井貴浩氏(45)が振り返りつつ、残り48試合での逆転Vへ向け、力強い提言を寄せた。

  ◇  ◇

 後半戦は今季2度目の“スタートライン”。やはり勝率5割というのは一つの目安で、カープはここへよく戻してきたと思う。実質的には残り半分を大きく切った段階ではあるが、区切りのオールスターをこの数字で迎えることで、シーズン再開へ気持ちも高めていけるだろう。

 貯金6で交流戦に入り、終わってみると借金2。さらにレギュラーシーズン再開直後、ヤクルトに3連敗して借金5まで膨らんだ。西川の故障離脱もあり、この時点で「まずいぞ」という空気感もあったと推察するが、先発、救援含めた投手陣が非常によく踏ん張ったことで、それぞれの試合も、シーズンの流れも壊すことなく巻き返してこられた。

 加えてやはり、秋山の加入は大いにプラスに働いた。チーム合流後、8勝6敗と勝ち越しているが、秋山の活躍はしっかりと勝利に絡んでいる。ただ実績、年齢を見ればバリバリやれる選手であり、これくらいの活躍は彼にとっては“普通”だろうと思う。

 そうなると、8月中とも言われる西川の復帰がさらに楽しみになってくる。相当な得点能力の向上が見込まれるなど、チーム全体の底上げが期待できる。

 得点力を最大に発揮できる打線を考えるに、西川を6番というのも面白そうだ。野間の状態が良く、存在感を出しており、現在の1番・野間、2番・菊池涼、3番・秋山は今後も十分に機能するだろう。新型コロナ陽性で離脱中のマクブルームが戻る前提で考えると、4番・マクブルーム、5番・坂倉は動かしたくない。

 となると、西川を6番あたりに置けば、残った走者をかえす役割として相手には大きな脅威となるのではないか。故障まで得点圏打率・350と非常に勝負強い。

 この打線を組むことができれば、相手が嫌がるだけでなく、カープの投手陣にも好影響が期待できる。「2点や3点取られても、ウチの打線ならそれ以上取ってくれる」の安心感があれば、よりスムーズに腕を振っていけるはずだ。

 高いレベルで投打がかみ合ってくるであろうカープの今後を考えれば、これまで以上に勝利を期待できる。ただ残りは48試合。2勝1敗のペースで、貯金は16となる。首位のヤクルトは貯金22。勝率5割で行かれれば、追いつけない。

 それでもプロ野球選手として、可能性がある限り、最後まで諦めず、食らいつく姿勢をファンの皆さんに見せる義務がある。厳しくても、明るい材料がある。球宴終了、シーズン再開と同時に、全速力でヤクルトを追いかけてほしい。そのためにもカード初戦は全力で取りに行く!必死のカープに期待する。

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