カープ上本 31歳プロ1号がサヨナラ弾 本人も「まさか」 守備&走塁だけじゃない

9回、サヨナラ3ランを放つ上本(撮影・立川洋一郎)
 9回、左翼スタンドへサヨナラ3ランを放つ上本(撮影・立川洋一郎)
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 「オープン戦、広島3-0日本ハム」(13日、マツダスタジアム)

 広島の上本崇司内野手(31)が“プロ初本塁打”をサヨナラ3ランで飾った。両軍無得点で迎えた九回2死一、二塁から左翼に記念の一発を運んだ。守備固めや代走の切り札としてチームに欠かせない背番号0が見せた勝負強い打撃。戦力の底上げを目指す鯉にとって頼もしい軌道になった。

 豪快に振り抜いた先に最高の結果が待っていた。0-0の九回2死一、二塁。上本が左越えに3ランを放った。“プロ初本塁打”が劇的勝利を手繰り寄せるサヨナラ本塁打。2日連続で詰めかけた2万人以上のファンの視線を独り占めした。

 「打った瞬間、外野は越えると思った。でもまさかあそこまでは」

 内角低めの変化球を捉えると無我夢中で走りだした。大きな拍手が球場を包むと二塁手前で一時減速し、水口三塁塁審に声をかけた。

 「水口は広陵野球部の後輩なんです。フェン直だと思っていたので、入ったのかを聞きました。そうしたら『入りましたよ』って」

 本塁打が初なら、サヨナラ本塁打も人生初。再び走り始めて三塁を回ると、本塁後方でチームメートが笑顔で待ち構えていた。新庄ビッグボスも両手をたたいて祝福するなど「興奮していました」と目尻を下げた。

 「このままじゃ2軍に行っても仕方がないと思っていたので、勇気を出して後輩にもずけずけと聞きました。打撃コーチ、小窪さん、会沢さん、小園、松山さん、龍馬(西川)にも聞きました」

 8、9日の阪神2連戦で計2打数無安打。捉えたと思った打球がファウルになったり、空振りしたりしていた。上がらない打撃状態に強い危機感があった。

 助言を受け「間を一番意識した」。足を上げるタイミングを早くするなど試行錯誤した。この日の一発は、修正した打撃が実を結んだものだった。

 内外野を守れる守備と走塁で存在感を示すが、打力向上にも意欲的だ。「野球って、打たないと試合に出られない。守備と走塁で出ても、代打を送られたら終わり。最低限打てるようにならないと」。飽くなき向上心を持ち、技術に磨きをかけている。

 今季は延長12回制が復活するとあって、上本のような万能選手の存在は心強い。「シーズンに入ったら、途中出場は確定しているので、ミスをしないように。打席に立ったら、食らいついていきたい」。勝利の一翼を担うために全力を尽くす。

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