広島・大瀬良 選手会長で沢村賞 背負うもの増えて「うれしい」最優秀防御率も狙う

 優勝へ向けてカープをけん引する活躍を誓う大瀬良(撮影・立川洋一郎)
 今年の抱負に「躍進」と記した大瀬良(撮影・立川洋一郎)
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 広島の大瀬良大地投手(30)が新春インタビューに応じ、4年ぶりのV奪回を誓った。昨季は規定投球回に到達し、10勝5敗、防御率3・07をマークした右腕。今季は選手会長としてリーダーシップを発揮しチームを引っ張るとともに、最優秀防御率や沢村賞の獲得を目指す。

  ◇  ◇

 -あけましておめでとうござます。新たな1年が始まりました。2月のキャンプまではどう過ごす予定か。

 「沖縄で2週間ほど練習します。森下ら後輩も連れての合同自主トレです。みんなで頑張りたいなと思っています」

 -今季の目標。取りたいタイトルは。

 「チームとしてはやっぱり優勝、日本一ですね。自分もFA権を使わず、カープに残ると決めた以上はチームやファンの皆さんのために腕を振りたいと思っています」

 -個人的には。

 「最優秀防御率ですかね。周りに影響されない、投手としての力を示す数字だと思う。あとは沢村賞。先発投手ならば、みんな目指しているというか、一番栄誉がある賞だと思うので、取りたい気持ちはあります」

 -完投、完封へのこだわりはある。

 「はい。先発投手ならば最後まで投げ抜きたいという思いは強い。(分業制の)今の時代にそぐわないところもあるが、野球を始めたときから先発は最後まで投げ抜くのが一番だと思ってやってきた。そこは変わらないですね」

 -昨季は投手キャプテンだったが、今季は選手会長を務める。

 「昨年は投手だけに集中できましたが、選手会長はチーム全体を見て動かないといけない。選手と首脳陣のコミュニケーションをうまく取っていければ、監督が言う一体感につながってくると思う。そういうのを大事にしたいです」

 -理想とするリーダーシップ像は。

 「アツさん(会沢)ですね。その場にいるだけで空気がぴりっと締まるというか。ああいうものは今の僕にはないので、すごいなと思います。それだけのことをやってこられた方。厳しいときは厳しい、優しいときは優しくすごく褒めるとか、ギャップの使い方というか、そういうところも上手だなと思います。僕にはまだまだできないところ。かっこいいなというか、尊敬します」

 -厳しさも大事。

 「アツさんに優しいだけではだめだぞと言ってもらえるようになりました。僕らしく厳しく言っていけたらいいなと思います」

 -いろいろと背負うものが増えた。

 「うれしいことじゃないですか。大変なこともありますが、なかなかこういうふうに言ってもらえることはない。主将や選手会長はやれる人が限られていると思う。その中で結果を残して、託して良かったなと周りからも思ってもらえるように頑張りたい」

 -昨季は防御率3・07でリーグ5位の成績を残した。

 「2桁勝利と規定投球回に乗れたのは最低限良かったですが、結果的にチームはBクラスに終わり、悔しい1年間でした」

 -おととしは右肘を手術。昨季は4月に右ふくらはぎを痛めるなどけがが相次いだ。

 「昨年のけがは全く予測しておらず、どうしようもなかった。それでも、2年連続で離脱してしまった事実がある。そのあたりはいろいろ見つめ直す時期なのかな。年齢も30歳になった。これまでも勉強してきたんですが、体のケアの仕方とかもっと突き詰めていかないといけないと考えさせられました」

 -体の変化も感じる1年となった。

 「疲労のたまり方や抜け方は若いときよりは変わってきた。だからといって練習量を落とそうとは思っていない。逆に鍛え抜いて、年齢にあらがっていきたい。まだまだ伸びる部分もありますし、自分の可能性を広げていきたいです」

 -5月に復帰後は2度の自身4連勝を飾るなど後半戦は7勝2敗。クオリティースタート率(6回以上自責点3以下)も87%を記録し、リーグトップだった。その要因は。

 「以前は夏場は疲れを残したくないので、練習量を減らしていたが、昨年は春先にけがをしたことで逆に下半身を鍛え上げる意識で強度を高めた。それが要因の一つです。バテるんじゃないかなと思ったが、試合になると意外にそっちの方がパフォーマンスが良かった。こういうやり方の方が僕には合っていると気づいた」

 -収穫を得られた。

 「けがしてなければ、例年みたいに強度を落としていた。けがの功名じゃないですが、新しい発見ができた。そこは良かったし、継続したいです」

 -投手キャプテンとしては、どんなことを考えていた?

 「若い子も多いので、取り組みやすい環境をつくることを第一に考えて過ごしていました。自分も結果を残さないと言葉とか行動に重みが出てこないので、きちんと結果を残して見本であり続けたいと思っていた」

 -苦労したことは。

 「自分がうまくいってないとき、言葉の重みが薄くなっていると思う時期がありました。永川コーチに相談したりもしましたね。あと先発投手というのは登板日によってはマツダに残留して敵地に行かないこともあるので、(みんなに目を配る面では)そこの難しさはありました」

 -その中で心掛けていたことは。

 「気持ちの持ち方や技術的なことを聞かれたら伝えていました。僕はこの8年間でけがもして大きな離脱もして、大変さを知っている。コンディショニングについては若い子に声もかけました。キャッチボールで腕が下がったりしているのを見たりしたら、どこか調子が悪いのかもと思ったりもしたので。僕もいろいろ勉強になることもありました」

 -チームは3年連続Bクラスとなった。今の戦力をどう思うか。

四球を減らす

 「結果は4位でしたが、終盤にかけてワンチャンスでCSあるんじゃないかと諦めなかったのはいい経験になった。その経験を忘れずにそれぞれの心の中で解釈していければ。将来性が豊かな子がうちは多いですし、技術的にもまだまだ伸びていくと思う。野球の考え方とか経験を積みながら、学んでいければ、強いチームになってくると思います」

 -16~18年の3連覇したときとの違いは。

 「3連覇したときはある程度、主力も決まっていたし、チームのために自己犠牲ができていた。今は若い選手が多く、これからレギュラーをつかまないといけない選手が多いので結果も残さないといけない。そのあたりは3連覇したときと違いますし、大変な部分があると思います」

 -優勝するために必要なことは。

 「投手陣でいえば去年は四球が多かったので1個でも減らしていくことが必要。四球を出すと自分の良さが半減してしまう。自分の良さを生かすために勝負していくとか、そのあたりの考え方とかは難しい面もありますが、気持ち一つで変えられると思います」

 -最後に改めて意気込みを。

 「今年こそはファンの皆さんの期待に応えられるように、チーム全員で優勝、日本一に向けて頑張っていきたいです」

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