元広島・ジョンソンが現役引退 16年に助っ人52年ぶり沢村賞 カープV3支えた

 広島は18日、昨季まで在籍していたクリス・ジョンソン投手(36)の現役引退を発表した。今季は無所属で東京五輪の野球米国代表の誘いも受けていたが、本人の意向で辞退したという。16年に外国出身者としてはバッキー(阪神)以来52年ぶりの沢村賞を受賞し、広島の外国人投手として最多の57勝を挙げた左腕が、静かに現役生活に別れを告げた。

 真っ赤に染まった広島の地で打ち立てた数々の金字塔は、決して色あせない。現役引退を発表したジョンソンは球団を通じ「野球人生で一番輝いたのはカープでプレーした時。カープの選手として引退することを誇りに思う」とコメント。今季は無所属だったため、現役最後の所属チームはカープ。鯉戦士としてユニホームを脱ぐことに、こだわった。

 東京五輪の野球米国代表の誘いも受けたが辞退。理由は、カープファンへの素直な思いからだった。「カープの一員だったことを、ファンの皆さんに覚えておいてほしい」。どんな時でも温かい拍手をくれた鯉党への感謝は尽きない。

 チームに欠かせない存在だった。来日1年目の15年に最優秀防御率のタイトルを獲得。開幕投手としてシーズンをスタートさせた16年は15勝7敗、防御率2・15の好成績を収め、外国出身者としてはバッキー(阪神)以来となる、52年ぶりの沢村賞に輝いた。卓越した制球力を武器に、16年からのリーグ3連覇に貢献した。

 6年間過ごした広島の街。「いつかまた広島を訪れ、カープの試合を観戦できる日を楽しみにしています」と語った。古巣への愛着を胸に刻みながら、第2の人生へと向かう。

 ◆クリス・ジョンソン(Kris Johnson)1984年10月14日生まれ、36歳。米国カリフォルニア州出身。193センチ、95キロ。左投げ左打ち。投手。ウィチタ州立大から2006年にドラフト1巡目でレッドソックスと契約。パイレーツ、ツインズでプレー後、15年広島入団。同年に最優秀防御率。16年には外国人投手2人目の沢村賞を受賞した。20年退団。NPB通算成績は128試合57勝37敗、防御率2・76。

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