「広島３－１５ヤクルト」（１０日、マツダスタジアム）

　この日１軍に昇格したばかり、広島のアドゥワが熱投で流れを変えた。１－３の五回、今季初マウンドへ。試合前に「テンポのいい投球が自分の持ち味」と話していた通り、今季初の１軍マウンドに、自分らしさを詰め込んだ。

　まず一発のある先頭村上を二ゴロ。中村には左前打を浴びたが、ブキャナンを投ゴロ、前日３安打の１番・太田も遊ゴロに仕留めた。六回も１死から山田哲を四球で歩かせた後に、本領発揮した。バレンティンをこん身の内角直球で見逃し三振に斬ると、打撃好調の雄平も中飛に打ち取った。

　昨季は中継ぎの一角として、リーグ３連覇に貢献。今季は「先発１０人構想」の下、春季キャンプから先発調整を続けてきた。開幕ローテ入りこそ逃したが、ファームでは新たな姿を披露。４試合に登板し、３勝１敗、防御率１・８０と結果を残している。６日のウエスタン・オリックス戦でも７回３安打無失点と好投。９５球投げていたが、わずか中３日の登板で、２イニングを１安打無失点に封じ込めた。

　ファームでは低めに強いボールを投げるように取り組んできた。試合後は「低めにいったので、ゴロになってくれた」と納得顔だ。投手陣は２試合連続２桁失点。投壊の中で、キラリと光った。